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2005 Fiscal Year Annual Research Report

イネの葉の塩ストレス障害におけるPST1遺伝子の関与

Research Project

Project/Area Number 05J07743
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

山根 浩二  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員(PD)

Keywords塩ストレス / 活性酸素 / 抗酸化酵素 / 組織齢 / Oryza sativa
Research Abstract

植物が塩ストレスを受けると地上部の塩含量の増加に伴い障害発現が起こるが、塩含量と障害は一致しないことが示唆されている。組織の齢が若いと塩含量が高い場合においても障害程度が低いことから、障害程度は組織の齢に依存していることが考えられる。しかし、若い組織における塩ストレス障害抑制機構は調べられていない。本研究では、イネ(Oryza sativa L.)の葉の基部・先端部の齢の違いを利用し、障害発現と塩の蓄積量の関係を明らかにすることを目的とした。また、抗酸化酵素活性、mRNAの発現を調べることで、部位における塩ストレス耐性の違いの原因が、抗酸化酵素にあるかどうかを調べることを目的とした。
塩ストレス下における抗酸化酵素活性の変化を調べたところ、ストレス処理期間中、齢の進んでいる先端部では塩含量の増加に伴い活性酸素であるスーパーオキシドラジカル、過酸化水素の増加が観察された。また、障害を観察したところ、脂質過酸化物の増加、クロロフィル含量の減少、葉緑体、ミトコンドリアの形態変化が観察された。また、障害発現と同時にAPX、CATの抗酸化酵素活性の低下が観察された。
一方、基部では塩含量が先端部と同程度に増加しても障害は観察されなかった。抗酸化酵素活性を測定したところ、塩処理開始直後から基部でのみCAT活性の増加が観察され、mRNAの発現も増加していた。このことから、抗酸化酵素の中でもCATがイネの塩ストレス障害抑制に重要な働きをしていることが示唆された。また、塩感受性植物では、塩ストレス下におけるCAT活性の増加は観察されていなかったが、それは組織の齢に依存していることが明らかとなった。これらの結果から、若い組織では塩含量が増加しても抗酸化酵素活性を上昇させ、活性酸素を効率的に消去する耐塩性機構が備わっており、また、その機構は加齢に伴って失われていくことが示唆された。

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Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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