2005 Fiscal Year Annual Research Report
ガラス基板上での多段階反応を利用する機能集積型ナノケミカルプローブの開発研究
Project/Area Number |
05J08495
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 大介 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | ナノテクノロジー / ケミカルプローブ / マイクロアレイ / オリゴサッカライド / 相互作用 / チオアルキル化 / コンカナバリンA / ハイブリダイゼーション |
Research Abstract |
ナノテクノロジーは、物質をナノサイズで制御し固体表面の微細加工を可能にする技術である。一方ケミカルプローブは、有機低分子から成る機能性分子であり、生体高分子のセンシングや構造活性相関の解明を行う上で有用なツールとして利用されている。そこで、これらの技術を融合し固体表面上に機能性分子を高密度に集積化したナノケミカルプローブを創成できれば、様々な機能を有するチップが合成でき得る。以上の背景から本研究では、機能集積型ナノケミカルプローブとして着目したマイクロチップの開発を目的としている。 すでに私は、ガラス基板上に糖鎖リガンドを固定化した2次元マイクロアレイの合成に成功している。その際固定化反応としてチオアルキル化反応を選択し、最適条件の網羅的な探索を行った。その結果、固定化マンノースと蛍光化タンパク質"コンカナバリンA"との相互作用を良好な感度で観測することに成功した。そこで本研究では、更なる高速・高感度解析ツールの開発を目指し、チオアルキル化反応を利用する3次元マイクロアレイの合成を行った。 3次元マイクロアレイでは、使用する反応溶液を駆動することが可能であるために、基板表面上におけるハイブリダイゼーション反応や有機反応の高効率化が期待できる。さらに、ガラス基板などの2次元基板と比較して利用可能な表面積が大きいために、高感度化が図れるものと考えた。 まず、スペーサーの長さ(4種類)がマンノースプローブの液相合成を行った。次に合成した4種類のプローブを7種類の濃度で固定化した3Dアレイを合成後、ハイブリダイゼーションを行うことで、プローブ濃度およびスペーサー長と蛍光強度の相関について調査した。その結果、蛍光強度はプローブ濃度とスペーサーの長さに依存するという知見を得た。さらに、高濃度条件では、蛍光強度が逆に小さくなるという負のデンドリマー効果と考えられる結果を得た。
|