2005 Fiscal Year Annual Research Report
ブレーンワールド模型における超対称性の破れの機構に関する研究
Project/Area Number |
05J09241
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阪村 豊 大阪大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ブレーンワールド模型 / 超対称性 / 5次元超重力理論 |
Research Abstract |
近年素粒子物理学における標準模型を超える物理の候補として、我々が住む4次元時空以外に余剰次元が存在するとするブレーンワールドという考え方が注目を集めている。私はそのようなブレーンワールドの枠組みで超対称性の破れについての研究を行った。一般にブレーンワールド模型を考える場合には余剰次元を有限な大きさに安定化させる機構が必要になる。この時、超対称性の破れと余剰次元の安定化機構の間には密接な関係があると考えられている。そこで私は5次元超重力理論を基本理論としてこの関係を明確にすることを試みた。具体的には低エネルギーで保存される超対称性を尊重した4次元有効理論の導出方法を提唱し、有効理論にスカラー場として現れる5次元方向の大きさに対応する力学的自由度の役割を明らかにした。更にこの方法を応用することにより、境界条件によって超対称性を破る機構を新たな観点から解釈することに成功した。 また、現実的なブレーンワールド模型の1つとして、高次元ゲージ場の余剰次元成分が物質場に質量を与えるヒッグス場として振舞う、ゲージヒッグス統合模型がある。私は特に5次元方向に歪んだ5次元時空上でのゲージヒッグス統合模型に着目し、その4次元有効理論に現れる様々な質量スペクトルや結合定数を詳しく解析した。 得られた研究結果は論文にまとめ、Physical ReviewとJournal of High Energy Physicsに投稿した。また、国際会議「The 11th International Symposium on Particles, Strings and Cosmology」(Gyeongju,韓国)及び「The 13th International Conference on Supersymmetry and Unification of Fundamental Interactions」(Durham,イギリス)や日本物理学会の定期大会「2005年秋季大会(大阪市立大学)」等で口頭発表を行った。
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Research Products
(1 results)