2005 Fiscal Year Annual Research Report
適合格子分割法を用いた大規模並列計算機による天体形成過程の解明
Project/Area Number |
05J10511
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢作 日出樹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 重力多体法 / 適合格子分割法 / 銀河形成 / 球状星団 / 宇宙論 |
Research Abstract |
まず、今まで開発してきた適合格子分割(AMR)N本コードのチューニングを行った。従来のコードでは、粒子とその粒子を含むもっとも細かい格子が異なるプロセッサが受け持つ状況が生じ、それが並列化率の低下をもたらしていた。そこで、粒子とその粒子を含むもっとも細かい格子が同じプロセッサが担当するように変更した。しかし、その結果、プロセッサごとに担当する粒子数が均一であったのが、均一ではなくなる。そこで、実際のコードで不均一性を調べたが、問題が生じるほどの不均一は生じないことが分かった。また、この改良されたAMRN体コードに対し地球シミュレータに向けて更なるチューニングを施した。その結果、128ノード1024CPUを用いたもっとも良い結果で、99.201%のベクトル化率と、99.9777%の並列化率を達成した。そして、従来、メモリによる制約のため、国立天文台のVP5000システムでは512^3体計算までしか出来なかったが、現在認められている64ノード512CPUを利用すると、1024^3体の計算ができるようになった。現在、この1024^3体計算を実行中である。 地球シミュレータでの計算とは別に、国立天文台では512^3体計算を行い、それらの解析を行った。まず、100Mpc立方領域の計算では、ダークハローの合体系譜を作成し、数値銀河カタログを作成した。一方、この計算の中で、過去のある時期にハローの中心にいた粒子を金属の少ない球状星団と看倣し、その球状星団粒子が現在ではどのように分布しているのかを計算した。その結果、銀河団の質量には余りよらず、銀河団の球状星団のうちおよそ三分の一は、銀河団中の銀河には属さない球状星団になることが示唆されていることが分かった。
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Research Products
(4 results)