2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J11797
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 貴教 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 惑星大気 / 惑星表層環境 / 大気散逸 / 大気進化 |
Research Abstract |
本研究課題では、多様な大気を持つ地球型惑星の表層環境の安定性と、それらの惑星上で発生した生態系の安定性を議論する。昨年度までの研究の結果、ハイドロダイナミックエスケープによる大気散逸過程が、惑星の表層環境の特徴を決定づけることが分かった。そこで今年度は、(1)様々な大気散逸問題に適用するための、多成分で放射冷却入りのハイドロダイナミックエスケープの計算コードを作成し、(2)その計算コードを金星大気の未解決問題に対して適用し、定量的な解を得ることに成功した。 (1)多成分大気におけるハイドロダイナミックエスケープの数値計算コードは、過去には存在しない。本研究ではCIP法という新しい数値計算手法を用いることで、初めて多成分大気についての安定な数値解を得ることに成功した。多成分大気における計算ロードを作成したことそのものに、本研究の大きな意義がある。 また、本研究で作成された計算コードは汎用性が高い。今後はこの計算コードを用いることで、惑星の大気散逸に関する問題を独占的に解くことができると期待される。 (2)まず、初期金星からの水の散逸に関する計算を行った。定量的な数値計算によって水の散逸の可能性が議論されたのは、本研究が初めてである。数値計算の結果、過去に金星表層に存在したと考えられている水を、ハイドロダイナミックエスケープによって散逸するための条件が示された。 さらに、金星大気中の希ガス分別過程に関する計算も行った。定量的な数値計算によって希ガスの分別過程が議論されたのは、本研究が初めてである。ここでは、一酸化炭素による大気の冷却効果を初めて数値計算コードに組み込んで計算を行っている。数値計算の結果、現在の金星の希ガス存在度を、ハイドロダイナミックエスケープによる大気進化によって説明することは難しいことが示された。
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Research Products
(6 results)