1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06041031
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福代 康夫 東京大学, 農学部, 助教授 (10165318)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KINーCHUNG Ho 香港, 環境保全局, 主任研究官
SERGIO Hurta グァテマラ公衆衛生局, 研究官
TING Thian M マレーシア サバ水産局, 主任研究官
SUCHANA Wise タイ チュラロンコン大学, 理学部, 助教授
QURAISYIN Ad インドネシア国立海洋研究所, 研究官
YU Zao.Qi 中国 ジナン大学藻類学研究所, 教授
CIELITO Conz フィリピン水産資源局, 主任研究官
岩槻 幸雄 宮崎大学, 農学部, 助教授 (60213302)
岡本 研 東京大学, 農学部, 助手 (20160715)
多田 邦尚 香川大学, 農学部, 助手 (80207042)
井上 博明 東京大学, 農学部, 助手 (40223268)
緒方 武比古 北里大学, 水産学部, 助教授 (00104521)
松岡 数充 長崎大学, 教養部, 教授 (00047416)
石丸 隆 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (90114371)
児玉 正昭 北里大学, 水産学部, 教授 (40050588)
越智 正 香川大学, 農学部, 教授 (00035990)
|
Keywords | 赤潮 / 有毒プランクトン / 麻痺性貝毒 / 渦鞭毛藻 / 東南アジア / グァテマラ / フィリピン / インドネシア |
Research Abstract |
平成6年8〜9月に調査を行ったグァテマラにおいては、太平洋岸のケッサーレ港で有害渦鞭毛藻Cochlodinium polykrikoidesが赤潮を形成していた。有毒種のPyrodinium bahamenseは太平洋岸ではシスト、大西洋岸ではプランクトンとシストを発見することができ、本調査において両沿岸域でP.bahamenseの培養株を作成し、その生理生態を東南アジア株と比較研究しうる可能性が確かめられ、継続的な本格的調査が必要と判断された。 東南アジアにおいては、6年11〜12月にフィリピン、タイ、インドネシア、マレーシアにおいて、本格的調査の必要性、可能性と緊急性を、現地研究者との会合および有毒プランクトン発生域の現地予備調査を通じて調べた結果、以下のような各国の状況がわかった。フィリピンでは1986年以降150名以上の死者を含む2000近くの麻痺性中毒患者が発生しており、有毒プランクトンの発生にも広域化長期化の傾向が見られていた。タイではエビ類養殖池における有害プランクトンの発生が広域化していたが、各事例の発生規模は小さく、大規模共同現地調査により少人数による原因種の生理生態等の共同研究が達すると考えられた。インドネシアでは、セラム島のアンボン湾とハルマヘラ島のカオ湾で、有毒種P.bahamenseが大規模な赤潮を引き起こしており、中毒事件も数件以上起こっていることが確認された。特に、これら発生域が東南アジアで最初に同種による赤潮が起こり、現在は鎮静しているパプア・ニュー・ギニアと、現在規模な発生が続いているフィリピンの中間的な地理的位置にあることから、同種の分布広域化の実態を調査するためには最重要な地域と考えられた。マレーシアではマレー半島で中毒事件が発生していたが、試料不足のため原因種を確かめるには至らなかった。これらのことから、予備調査の結果として、今後インドネシアとフィリピンにおける本調査が重要と判断された。
|
Research Products
(9 results)
-
[Publications] 越智 正 他: "マニラ湾に発生する有毒赤潮について 1.富栄養化の現状について" 日本水産学会 平成6年度日本水産学会秋季大会講演要旨集. 153 (1994)
-
[Publications] Elsa Furio 他: "マニラ湾に発生する有毒赤潮について 2.The distribution of resting cyst and motile cell of Pyrodinium" 日本水産学会 平成6年度日本水産学会秋季大会講演要旨集. 153 (1994)
-
[Publications] 福代 康夫 他: "The distribution of resting cysts of toxic dinoflagellate Pyrodinium bahamense var.compressum in Manila Bay,thePhilippines" IOC-WESTPAC The third international Scientific Symposium. C107 (1994)
-
[Publications] 福代 康夫: "沿岸域の環境変動と有害プランクトンの発生" 海岸・沿岸域研究を考える IGBP・LOICZ研究計画シンポジウム講演要旨集. 71-74 (1994)
-
[Publications] Elsa Furio 他: "Species assemblage of dinoflagellate cysts in Manila Bay,Philippines" The Seventh International Conference on Toxic Phytoplankton. (発表予定). (1994)
-
[Publications] Elsa Furio 他: "The distribution of the resting cysts of PSP-producing dinoflagellate Pyrodinium bahamense var.compressum in Manila Bay,the Philippines" The seventh International Conference on Toxic Phytoplankton. (発表予定). (1994)
-
[Publications] 福代 康夫: "有害プランクトンと環境 In:“水産と環境"" 恒星社厚生閣, 102 (1994)
-
[Publications] 福代 康夫: "環境-生体毒 In:“現代の水産学"" 恒星社厚生閣, 407 (1994)
-
[Publications] 福代 康夫: "海洋汚染の国際事情-富栄養化と有害プランクトンの発生 In:“海洋環境を考える"" 恒星社厚生閣, 193 (1994)