1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06041055
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
梅原 郁 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (00027541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤松 明彦 九州大学, 文学部, 助教授 (80159326)
辻 正博 滋賀医大学, 医学部, 助教授 (30211379)
西脇 常記 京都大学, 総合人間学部, 教授 (50108966)
冨谷 至 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (70127108)
籾山 明 埼玉大学, 教養学部, 助教授 (70174357)
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Keywords | 敦煌古文献 / 簡牘 / トルファンコレクション / ロプノール簡 |
Research Abstract |
文書班については、八月下旬から九月中旬にかけて、大英図書館にて敦煌古文献の調査を行なった。主として法制文書がその対象となったが、単に記述内容のみならず文物としての古文書といった視点で調査をすすめた。その結果、紙質の差、貼付の仕方等において、各文書間に顕著な特徴がみられることが判明、写真と実物との間にどの様な相違が表れるのかが明確になった。今後、イギリスのみならずフランス所蔵の敦煌古文献に関しても同様のことを究明せねばならない。ただ、問題として残るのは、紙質・墨書について研究、調査をすすめるには、やはり好精度のカラーフィルムによる撮影が不可欠である。分量・技術の両面において検討せねばならない。 ドイツ所蔵のトルファンコレクションについて言えば、今後の調査で統一後の所蔵及び研究状況がある程度把握できたことは、最も大きな収穫であった。次年度は、さらに個別的に研究・調査をすすめていく予定でいる。 簡牘班について。大英図書館における調査においては、未発表簡の中に、断片ではあるが利用価値の高いものが数多く存在することが判明した。例をあげれば、すでに数使してしまったと考えられている漢代の字書の類であり、その全容を次年度でより具体的に解明するとともに、全簡の写真撮影の可能性をさぐる。スウェーデン所蔵の簡牘については、未発表のロプノール簡を全て撮影し、その訳文をすでに作成した。また既発表の簡についても、訳読の誤りを少なからず訂正できたことは、成果の一つである。次年度は、カプノール出土の紙文書と文物について調査をすすめる予定でいる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 梅原 郁: "刑は丈夫に上さず -宋代官員の処罰" 東方学報 66. 66(発表予定). (1995)
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[Publications] 西脇常記: "ドイツのトルファンコレクション" 月刊百科 389. 389. 37-43 (1995)
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[Publications] 赤松明彦: "カシミール、シヴァ派のバルトハリ理解 -言葉の三様相説、特にpasyantiについて" 印度学仏教学研究. 43-1. 82-85 (1994)
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[Publications] 西脇常記: "中国の死の儀礼" 平凡社, 416 (1994)
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[Publications] 冨谷 至: "ゴビに生きた男たち" 白帝社, 278 (1994)
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[Publications] 籾山 明: "秦の始皇帝" 白帝社, 277 (1994)