1996 Fiscal Year Annual Research Report
現代日本の商用車用ディーゼルエンジン技術の対中国移転戦略
Project/Area Number |
06041092
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
山岡 茂樹 大阪市立大学, 経済学部, 助教授 (70220233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大場 裕之 麗澤大学, 国際経済学部, 教授 (10255169)
大島 卓 城西大学, 経済学部, 教授 (80145804)
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Keywords | ディーゼルエンジン / トラック / 技術移転 / 国産化 / 中国第一汽車 / 東風汽車公司 / 内蒙古第一機械廠 / 杭州汽車発動機廠 |
Research Abstract |
本年度は3カ年計画の仕上げとして、(1)日本からの技術移転の現状及び可能性 (2)中国自動車産業の現況から見た受入れ側の問題点 と言う2点をキーワードとした調査を実施した。 第1に関してはダイハツからの技術供与によって微型汽車の有力メーカーになっている天津微型汽車廠と既にこのへのエンジン技術供与を決定しているトヨタが早くから対中国進出の足掛かりとして設置していたトヨタ国産化支援センターを訪問し、日本側の努力のあり方についてのデータを得た他、重慶の長安鈴木においては、新工場の稼働状況につてのヒヤリングを行った。 第2に関しては内蒙古第一機械廠におけるベンツ大型トラックのライセンス生産の立ち上がり状況を調査した。ここでは、ベンツの部品価格が中国側の支払い能力から見て高すぎ、ライセンス生産は経済的に成り立ち難い状況にあることが確認された。これはプロジェクトのフィージビリティー・アナリシスがいい加減、と言う中国では珍しくもない事例の一つに過ぎないが、日本のディーゼル自動車メーカーにとってはチャンスであり、中国側もコスト・パフォーマンスに優れた日本のディーゼル技術の導入に食指を動かし始めているようであった。 中国自動車産業界は目下、減速基調にあり、企業間格差も目立ちはじめている。とりわけ、第二の企業集団をなす東風グループの経営不振は顕著な現象であり、本年度の調査においても、様々な兆候を窺うことが出来た。東風は杭州汽車発動機廠よりエンジン供給を受けて重型(大型)トラック製造を本格的に進めようとしているが、経営資源の制約上、大きな困難に直面しているようであった(尚、杭州には日野の技術供与が決定している)。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 藤本隆宏・季春利(研究協力者): "中国自動車産業の製品開発システムに関する研究ノート" 東京大学経済学部 Discussion Paper. 96-J-2. 1-25 (1996)
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[Publications] 藤本隆宏・季春利(研究協力者): "中国自動車産業の製品開発システムに関する研究ノート(1),(2)" 自動車工業. 30・8,9. 14-20 14-21 (1996)
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[Publications] 季春利・藤本隆宏・陳 晋(研究協力者): "Different Strategies of Lacalization in Chinese Auto Industry : The Cases of Shanghai Volkswagen and Tianjin Daihatsu." Working Paper for the International Motor Vehicle Program, MIT.1-18 (1996)
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[Publications] 季春利(研究協力者): "中国におけるトヨタ生産方式導入の源流" 経営史学. 31・2. 31-64 (1996)
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[Publications] 大場裕之: "The Impact of Libera Tization on Automobile Industry in India-Is Lndian Automobile Industry Competitive?-" 千葉商科大学経済研究所 Discssion Paper. mimeo. (1997)
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[Publications] 季春利(研究協力者): "現代中国の自動車産業 企業システムの進化と経営戦略" 信山社, 266 (1997)