1995 Fiscal Year Annual Research Report
法隆寺献納宝物と正倉院宝物の源流に関する調査研究-シュリーヴィジャヤ王国関連の彫刻・工芸作品を中心に-
Project/Area Number |
06041118
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Research Institution | Tokyo National Museum |
Principal Investigator |
加藤 寛 東京国立博物館, 資料部・研究指導室, 室長 (70161114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 法光 宮内庁正倉院事務所, 保存課, 課長
今井 敦 東京国立博物館, 学芸部・東洋課中国美術室, 研究員 (50193644)
淺湫 毅 東京国立博物館, 学芸部・企画課普及室, 研究員 (10249914)
時枝 務 東京国立博物館, 学芸部・考古課有史室, 研究員 (00217473)
グナワルダナ レスリー スリランカ, ペラデニア大学・史学部, 教授
小笠原 小枝 日本女子大学, 家政学部, 助教授
高橋 隆博 関西大学, 文学部, 助教授
浅井 和春 青山学院大学, 文学部, 教授 (60132700)
鈴木 恒之 東京女子大学, 文理学部, 教授
寺島 洋子 国立西洋美術館, 学芸課・企画広報係, 研究員 (00270421)
長岡 龍作 東京国立文化財研究所, 情報資料部, 主任研究官 (70189108)
岡田 健 東京国立文化財研究所, 美術部, 主任研究官 (40194352)
関根 俊一 奈良国立博物館, 学芸課・普及室, 室長 (80154649)
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Keywords | 南アジア / 東南アジア / シュリーヴィジャヤ / 法隆寺献納宝物 / 正倉院宝物 / 彫刻史 / 工芸史 / 交渉史 |
Research Abstract |
1 研究の進捗状況 (1)文献史・資料および写真資料等の収集整理 本年度の調査地について、関係作品、技術、材料、碑文等に関する国内外におよぶ文献史・資料および写真資料を収集し、カード化して整理した。また、写真資料をフォトCDへ記録しデジタル化を行い、研究成果の公開に備えた。 (2)現地調査 A班-タイ、ミャンマー、カンボジアの各国立博物館、寺院、関連遺跡にて、彫刻作品の調査を行い、関連資料を収集した。 B班-タイ、ミャンマーの国立博物館、寺院、関連遺跡にて碑文資料、出土品等の調査および交渉史、陶磁、考古関連資料の収集を行った。 C班-タイ、ブ-タンの各国立博物館、寺院、関連遺跡、作業所にて漆工、染織作品の調査を行い、関連資料の収集を行った。 D班-タイ、カンボジアの国立博物館、寺院、関連遺跡にて金工作品の調査および関連資料の収集を行った。 (3)現地調査資料の整理と考察 (2)で得られた調査と写真資料等をカード化して整理し、(1)で得られた史・資料と比較検討しながら各班ごとに考察を行った。 (4)研究総括 研究分担者全員参加の下、本年度の研究総括を行い、引続き次年度の研究に備えた。また、研究成果は順次雑誌等で公開している。 2 新たに得られた知見 (1)タイ東北部の調査において、カンボジアの7〜8世紀に製作された作品と同一洋式で作られた浮彫り群の現存することが新たに確認された。 (2)タイ西北部の調査で、ミャンマー製挽き物漆器を実見し、同地域が籃胎キンマ漆器だけの製作地でないことを確認した。 (3)ミャンマーの調査で、同地域の陶磁器は従来、中国陶磁の強い影響下で製作されたものとみなされていたが、西アジアの影響を受けた製作技術も認められることが判明した。 (4)ブ-タン西部の染織品調査で、タイで使われていた紋機とは異なる機を実査した。また、当地域では茜などによる植物染料も一部で使われていた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 大隅 昌子: "中国史に見えるシュリヴィジャヤ-六朝から唐代まで-" MUSEUM. 537. 23-29 (1995)
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[Publications] 鈴木 恒之: "タナ・アバンのシュリヴィジャヤ時代遺跡" MUSEUM. 537. 4-13 (1995)
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[Publications] 原田 一敏: "マレー半島ケダ-出土の舎利容器" 月刊文化財. 387. 43-51 (1995)