1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06041130
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Research Institution | The Japan Snake Institute |
Principal Investigator |
森口 一 日本蛇族学術研究所, 生態学研究室, 研究員 (40142020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄 満盈 広西医科大学, 生物学教室, 副教授
王 万平 広西医科大学, 副学長
竹中 践 北海道東西大学, 教育開発研究センター, 教授 (00206997)
川村 善治 日本蛇族学術研究所, 国際研修センター, 施設長 (30109855)
鳥羽 通久 日本蛇族学術研究所, 分類学研究室, 主任研究員 (40109856)
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Keywords | 中国 / 毒蛇類 / 分布 / 生態 |
Research Abstract |
諸般の事情により、9月から10月にらかけて調査を行った。この年の広西は6月から8月に欠けて大雨で、一部地域では洪水になった。9月には洪水は引いていたが道路事情が悪く、一部の地域の調査は断念した。気温はやや低めで、蛇の採集成績はあまり良くなかった。マムシに関しては、採集できなかったが聞き取りなどから判断して、北部の資源県、龍勝県、臨桂県には分布しているらしく、平楽県の咬症記録はおそらく誤りと考えられた。アオハブ類2種のうち、これまでタイワンアオハブは広西全域に、シクロチアオハブは南半分に分布するとされてきたが、実際には後者も北部まで分布することが分かった。またハブ類で夜間の出現数が多いのはタイワンハブである。コブラの生息環境は多様で、水田地帯から都市部まで広く分布するが、森林には比較的少なく、咬症調査の結果を裏付けている。当初は、予定していなかったが、中国側の希望で、ウミヘビの調査も行った。ウミヘビの抗血清を作る場合、毒をどう集めるかが問題であるが、今回ウミヘビの多く集まる北海市のレストランで、料理に使った後の頭部を冷凍してもらい、それを集めて解凍し、そこから採毒して精製したものを試したところ、十分な毒性と免疫源性を備えていることが分かった。この方法だと、比較的安価に毒を集められる。また、龍洲県でとれた弱毒のオオガラシ属の標本は新種であることが分かった。主な毒蛇については、精巣の固定標本と、染色体標本を作製した。採集した蛇も持ち帰りたいと考えていたが、手続きの遅れで今回は断念した
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