1994 Fiscal Year Annual Research Report
中国海門市における肝がんの生活環境要因に関する研究
Project/Area Number |
06042014
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
徳留 信寛 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (00037441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 剛 上海医科大学, 公衆衛生学院, 講師
陳 公超 海門市衛生防疫局, 局長
兪 順章 上海医科大学, 予防医学研究所, 教授
溝上 雅史 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (40166038)
末岡 榮三郎 埼玉県立がんセンター研究所, 研究員 (00270603)
小田 秀明 東京大学, 医学部, 助手 (40214142)
田代 文夫 東京理科大学, 基礎工学部, 助教授 (70089332)
上野 芳夫 東京理科大学, 薬学部, 教授 (00084418)
原田 健一 名城大学, 薬学部, 助教授 (90103267)
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Keywords | 中国海門市 / 肝がん / HBV / HCV / AFB_1 / マイクロシスチン / 生活環境要因 / 宿主要因 |
Research Abstract |
中国上海市北の海門市における肝がん発生に関する宿主要因(がん遺伝子・がん抑制遺伝子、アルデヒド脱水素酵素[ALDH2]遺伝子及びCYP2E1遺伝子多型など)と環境要因(HBV/HCV感染、アフラトキシンB_1汚染食品摂取、当該地域のクリーク水・溜池水などの飲用[特に、藻類マイクロシスティスが産生するマイクロシスチンの摂取]、喫煙・飲酒歴など)の関与及びそれら諸要因の交互作用について、環境生態学、分子生物学、腫瘍病理学、疫学などの諸観点から総合的に調べ、肝がん発生予防に資することを目的とする。 平成6年から、次に述べるような国際共同研究プロジェクトを展開している。 1)藻類が繁殖する夏期に海門市を訪問して、クリーク水・溜池水などから藻類マイクロシスティス及びマイクロシスチンの検出を継続する。 2)マイクロシスチンLRを用いて肝がんプロモーター作用に関する中期発がん動物実験を行っている。 3)アフラトキシンB_1誘発ラット肝がんから細胞系を樹立して、神経分化誘導因子の肝がんプロモーター活性の研究を行っている。 4)海門市の肝がんパラフィンブロック標本を利用して、マクロ・ミクロ病理学的研究、マイクロシスチンの検索及びがん遺伝子・がん抑制遺伝子分析を行っている。 5)海門市において発生した肝がんを症例群(年間100例収集を目標)とし、無作為抽出した地域住民対照群を設定して、飲料水の種類と飲料状況、アフラトキシンB_1汚染食品摂取状況、喫煙・飲酒歴などに関する調査票を用いた症例対照研究を行っている。 6)食品(ピ-ナッツ、とうもろこしなど)を採取して、アフラトキシンB_1及びその他のマイコトキシンの分析を試みている。さらに、摂取食用油の採取も行い脂肪酸組成を分析している。マイクロシスチンの環境中食物連鎖を考慮して、水産食品(魚・貝・海老・蟹などの水棲生物)中のマイクロシスチン分析のシステム開発を急いでいる。 7)HCC症例と対照群より血液を採取し、血漿・血清部分を利用してHBV/HCVの血清マーカー及びHBV/HCVサブタイプ、αフェトプロテイン、セレニウムなどの微量元素・物質などの分析、アフラトキシンB_1アダクトの分析、発がんプロモーター指標としてのTNFα活性の分析を行っている。末梢リンパ球を利用して宿主要因(DNA多型、DNAアダクト、アルデヒド脱水素酵素[ALDH2]遺伝子及びCYP2E1遺伝子多型など)の分析を試みている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Kondo,F.,Harada,K. et al.: "Reliable and sensitive method for determination of microcystins in complicated matrices by frit-fast atom bombardment liquid chromatography/mass spectrometry" Natural Toxins. 3. 41-49 (1995)
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[Publications] Tsuji,K.,Harada,K. et al.: "Stability of microcystins from cyanobacteria:effect of light on decomposition and isomeri-zation." Environ.Sci.Technol.28. 173-177 (1994)
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[Publications] Saito,S.,Harada,K., et al.: "Cross-reactivity and neutralizing ability of monoclonal antibodies against microcystins." Natural Toxins. 3. 41-49 (1995)
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[Publications] Nagata,S.,Ueno,Y., et al.: "Determination of microcystin in environmental water by highly sensitive immunoassay." Jpn.J.Toxicol.Environ.Helth. 41. 50- (1995)
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[Publications] Yuwai,K.E.,Ueno,Y., et al.: "Occurence of nivalenol,deoxynivalenol and zearalanone in imported cereals in Papua New Guinea." Natural Toxins. 2. 19-21 (1994)
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[Publications] Mikami,Y.,Ueno,Y., et al.: "Comparison of in vitro antifungal activity of itraconazole and hydroxy-itraconasole by colori-metric MTT assay." Mycoses. 37. 27-33 (1994)
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[Publications] 渡辺真利代、原田健一、藤木博太、: "アオコ その出現と毒素" 東京大学出版会, 257 (1994)