1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06044021
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
末光 眞希 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (00134057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SCHWAB Claud フランス国立科学研究所, 半導体物理学研究所, 研究部長
庭野 道夫 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (20134075)
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Keywords | 硫化カリウム / 半絶縁性 / 点欠陥 / 光学物性 / 電子スピン共鳴 |
Research Abstract |
本研究の目的は半絶縁性GaAs結晶の高品質化をめざし、EL2を中心とする固有点欠陥の物性を明らかにし、それらの制御法確立に対する指針を得ることである。本年度は二年計画の第一年度であることから、目的の前半にあたるEL2の物性研究を行った。 本研究ではEL2に固有の現象である低温光照射消失(PQ)効果の発現機構を明らかにした。われわれはPQ効果がEL2単独の現象ではなかろう-との作業仮説にたち、外因性アクセプタである炭素密度を変化させた一連の試料を用意してそのPQ効果を調べた。その結果、EL2とは独立した点欠陥である炭素アクセプタがEL2のPQ効果を促進する作用を持つことを初めて明らかにし、われわれの仮説の正しさが立証された。さらに室温から液体He温度に至る広範囲ななPQ効果の温度依存性を調べ、低温であるほどPQ効果が促進されることを見出した。これら一連の炭素密度・温度依存性は、価電子帯から70-80meV上にある深いアクセプタ準位の荷電状態がPQ効果を支配していること考えることで統一的に説明される。また近赤外吸収法および光伝導率で測定されるEL2と電子スピン共鳴法で測定されるAs_<Ga>とは全く異なる光応答性を示し、この両者が異なる点欠陥であることを明らかにした。 これら一連の結果は仙台における近赤外吸収および光伝導率測定、および同一試料に対するストラスブールにおける電子スピン共鳴測定から得られたものである。このうち後者は末光が7から8月にかけて一ヶ月ストラスブールを訪問し、Schwab教授と共同で行ったものである。
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Research Products
(1 results)