1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06044092
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
原口 紘き 名古屋大学, 工学部, 教授 (70114618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DRIL S.I. ロシア連邦科学学士院, 地球化学研究所, 上級職
PEREPELOV A. ロシア連邦科学学士院, 地球化学研究所, 上級職
KUZMIN M. ロシア連邦科学学士院, 地球化学研究所, 研究員(所長)
堀江 正治 京都大学 ドイツ地球科学研究所, 客員教授 名誉教授 (90025320)
小椋 和子 東京都立大学, 理学部, 助教授 (20087117)
石渡 良志 東京都立大学, 理学部, 教授 (90087106)
豊田 和弘 東京大学, 理学部, 助手 (10207649)
猿渡 英之 名古屋大学, 工学部, 助手 (30221287)
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Keywords | バイカル湖 / 湖底堆積物 / 柱状断面図 / 金属元素プロファイル / 生元素プロファイル / 鉱物分析 / 年代測定 / 古環境変動解析 |
Research Abstract |
バイカル湖湖底堆積物の地球化学的研究を遂行するために、1993年に掘削された100mコア試料に関して、まずコア試料を各種の研究に供するための試料の採取を1994年8月堀江がロシア地球化学研究所において行った。ついで、9月原口がドイツ地球科学研究所に出かけ、上記の採取試料を堀江とともに、花粉分析、粒度分析、有機分析、無機分析用の4種に配分する作業をした。これらの試料は10〜11月日本人研究者に配布され、それぞれのグループによる分析を行っている。10〜11月原口、石渡、堀江、猿渡がロシア地球化学研究所に出かけ、ロシア側研究代表者であるKuzmin教授ほかの研究者とこれまでの研究成果に関するワークショップを開催するとともに、情報交換、研究打ち合せを行った。とくに、将来の300mコア試料の採取に関する計画を検討し、採取地点の決定、掘削技術の検討を行うために、表層コアの試掘などを行い研究、分析項目の確認をした。また、1995年1月にはロシア側共同研究者であるPerepelov、Drilを招へいし、バイカル湖堆積物の地球化学的な特徴に関する討論と、バイカル掘削将来計画について協議した。堆積物に関する研究としては、原口と猿渡は100m柱状堆積物約50試料(2m毎)をICP(誘導結合プラズマ)質量分析法により40元素の垂直分布の測定を行った。その結果によると、バイカル湖は過去約20万年の間貧栄養状態にあること、深い堆積層において軽希土類元素よりも重希土類元素が濃縮されていること、いくつかの深度においてSr/Ca、Ba/Ca比の異常があること等がが明かとなった。豊田は放射化分析法により同様の研究と、鉱物分析を行っている。石渡と小椋は、有機物、とくに炭素、窒素、リグニン等の垂直分布の測定を行い、それらの分布と古気候変動との相関を明らかにしつつある。これらの研究は、バイカル湖の地球化学的生因と古環境変動の解析に有用な情報を与えるものである。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H.Sawatari,T.Asano,X,Hu,T. Saizuka,A.Itoh,A.Hirose and H. Hraguchi: "Multielement Determination of Rare Earth Elements by Liquid Chromatography/Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectrometry" Bulletin of the Chemical Society of Japan. 68(in press). (1995)
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[Publications] E.Fujimori,H.Sawatari,A.Hirose and H.Haraguchi: "Simultaneous Multielement Analysis of Rock Samples by Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry Using Discrete Microsampling Technique." Chemistry Letters. 1467-1470 (1994)
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[Publications] K. Toyoda, H. Horiuchi and M. Tokonami: "Dupal anomaly of Brazilian carbonatites: Geochemical correlations with hotspots in the South Atlantic and implications for their mantle source." Earth and Planetray Science Letters. 126. 315-331 (1994)
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[Publications] R. Ishiwatari, M. Uzaki and K. Yamada: "Carbon isotope composition of individual nalkanes in recent sediments.21GC04:Organic Geochemistry" 21. 801-808 (1994)
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[Publications] R.Ishiwatari,Y.Hirakawa,M.Uzaki,K.Yamada and T.Yada: "Organic geochemistry of the Japan Sea sediments-1:Bulk organic matter and hydrocarbon analysis of core KH-79-3,C-3 from Oki Ridge for paleo environment assessment." 50. 179-195 (1994)