1995 Fiscal Year Annual Research Report
大型及び小型実験動物の特性を生かした生殖系の中枢制御機構の解明
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06044101
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
前多 敬一郎 名古屋大学, 農学部, 助教授 (30181580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KARSCH Fred ミシガン大学, 生理学, 教授
FOSTER Doug ミシガン大学, 産婦人科, 教授
武内 ゆかり 東京大学, 農学部, 助手 (10240730)
束村 博子 名古屋大学, 農学部, 助手 (00212051)
森 裕司 東京大学, 農学部, 助教授 (40157871)
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Keywords | 黄体形成ホルモン / 黄体形成ホルモン放出ホルモン / ブドウ糖 / LHRH pulse generator / 下垂体 / 視床下部 / 延髄最後野 |
Research Abstract |
平成7年8〜9月に、研究代表者前多敬一郎および研究分担者の束村博子、ならびに研究協力者の長谷祥治と村橋久美子がミシガン大学を訪問し、アメリカ側研究分担者のミシガン大学産婦人科のDouglas Foster教授、および同大学研究員Dave Bucholtzとともに、ヒツジを用いた共同実験を実施した。また、平成8年2月23日より同年3月11日にかけて、Douglas Fosterおよび研究協力者のChris Medinaが来日し、ラットを用いた共同実験を実施した。両グループ間では、これら共同実験のみならず、インターネットを用いて頻繁にアイデアや進行中の実験に関する情報を交換し、仮説や研究計画を構築している。 生体エネルギーレベルによる生殖機能調節を司る脳内メカニズム 前多らは、絶食時にみられる性腺機能抑制の脳内神経回路を解明し、その回路がエストロジェンにより活性化されることを明らかにしてきた。Fosterらのグループでは、エネルギーの過不足が血糖値の変化として生体によって感知され、その結果、生殖系が制御されるとの仮説を導き出している。ミシガン大学でのヒツジを用いた実験ならびに名古屋大学でのラットを用いた実験から、グルコースの拮抗剤である2DGの末梢投与、および脳室内への投与により性腺系の指標である血中LH濃度はただちに抑制されることが明らかとなった。このことは血糖地のセンサーが末梢あるいは脳内に存在し、生殖系へその情報を伝え、LH分泌抑制を介して、性腺機能を抑制していることを示しており、2DGによる薬理学的血糖利用阻害が、低栄養条件下における性腺機能抑制のモデルとなる可能性を示唆している。 本年度は、この可能性をヒツジで証明するため、2DG投与による血糖利用低下時にみられるLH分泌抑制が、脳内CRHを介して経路により制御されていることを示すために実験を行った。その結果、2DGによるLH分泌抑制は、性成熟以後の個体にはみられず、単胃動物と反芻動物の血糖感知機構には、明瞭な差があることが示唆された。現在は、ミシガン大学においてインシュリン投与による血糖低下をモデルに用いるべく実験を進めている。 名古屋大学では、2DGによるLH分泌抑制に、視床下部室傍核におけるnoradrenalineの放出が関与していることを明らかにし、絶食モデルとの相似性を示した。さらに、平成8年2〜3月における名古屋大学での共同実験では、2DG投与モデルにおけるCRHの関与、室傍核におけるnoradrenaline各種受容体の関与、さらには迷走神経の関与について検討し、現在データを解析中である。 最後野に存在するとされるブドウ糖感受性細胞の同定 延髄最後野にあると仮定されているブドウ糖感受性細胞を直接的に同定するため、最後野組織の細胞培養系を構築し、細胞内カルシウムの変化を指標として、ブドウ糖利用阻害に反応する細胞を同定しようとしている。現在までに細胞培養系を構築し、2回実験を行ったが、いまだ陽性細胞は発見されていない。 平成6年度における実験結果を、平成7年11月アメリカで開催された北米神経科学会議においてミシガン大学と連名で発表した。さらに、Endocrinology誌に、2編の共同論文を発表した。また、1編の論文は同誌に投稿中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nagatani, Shoji: "Reduction of glucose availability suppresses pulsatile LH release in female and male rats." Endocrinology. 137(印刷中). (1996)
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[Publications] Murahashi, Kumiko: "Suppression of LH pulses by restriction of glucose availability is mediated by sensors in the brain stem." Endocrinology. 137(印刷中). (1996)
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[Publications] Nagatani, Shoji: "A rapid suppressive effect of estrogen in the paraventricular nucleus on pulsatile LH release in fasting-ovariectomized rats." Journal of Neuroendocrinology. 135(印刷中). (1996)
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[Publications] Estacio, M. A. C.: "Effect of fasting and immobilization stress on estrogen receptor immunoreactivity in the brain in ovariectomized female rats." Brain Research. (印刷中). (1996)
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[Publications] Maeda, Kei-ichoro: "The LHRH pulse generator : A mediobasal hypothalamic location." Neuroscience and Biobehavioral Reviews. 19. 427-437 (1995)
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[Publications] 前多敬一郎: "ストレス反応を媒介する神経内分泌機構" 第39回プリマ-テス研究会報告. 70-73 (1995)