1994 Fiscal Year Annual Research Report
核磁気共鳴法によるカルサイクリンとアネキシンXI分子の高次構造解析
Project/Area Number |
06044105
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
日高 弘義 名古屋大学, 医学部, 教授 (80100171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SASTRY Malli スクリプス研究所, 助手
POTTS Barbar スクリプス研究所, 研究員
CHAZIN Walte スクリプス研究所, 助教授
岡崎 勝男 名古屋大学, 医学部, 助手 (20252231)
水谷 顕洋 名古屋大学, 医学部, 助手 (30242861)
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Keywords | カルサイクリン / アネキシンXI / カルシウム結合蛋白質 / 核磁気共鳴法 / 高次構造 |
Research Abstract |
本国際学術研究の目的は、カルサイクリン分子及びアネキシンXI分子、更にはこれら分子の結合部位の高次構造を決定することにより、カルサイクリン及びアネキシンXIが細胞内カルシウム情報伝達系において果たす役割を明らかにすることである。我々は前年度までにカルサイクリンがカルシウム存在下に分子形態変化をおこし、アネキシンXIと結合すること、更にアネキシンXIが核に存在し、燐酸化を受けることにより細胞質へ移行することを発見し報告した。カルサイクリンが細胞周期に関連して発現することと考えあわせると、カルサイクリン及びアネキシンXIが細胞の増殖などの基本的かつ重要な機能に関連していることは容易に想像できる。平成6年度にはカルサイクリンがインスリン分泌に関与すること(J.B.C)、またアネキシンXIの局在が細胞種により違うこと(B.B.R.C)を報告した。国際共同研究の初年度としては計画通り、ウサギ肺カルサイクリンのNMRにより高次構造解析を行った。ウサギ肺カルサイクリンは他の種と違い、一次アミノ酸の中にはシステインは含まれない。その高次構造を核磁気共鳴法を用いて解析した結果、ウサギ肺カルサイクリン分子も2量体を形成していることが判明し、ウサギ肺カルサイクリン2量体の立体構造を決定した。これらの結果は、平成6年7月と8月にアメリカで行われた国際学会に発表され注目を浴びている。また一連の研究成果をまとめ、国際雑誌に論文を投稿中である。更に、アネキシンXIのN末端がカルサイクリンとの結合に重要であること見いだした(A.B.B)。次年度はこれらの結果をふまえ、アネキシンXIのN末端部分の蛋白を発現し、その高次構造を核磁気共鳴法を用いて解析することによりカルサイクリン/アネキシンXI結合部位の構造解析を行う。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Okazaki: "A role of calcyclin,a Ca^<2+>-binding protein,on the Ca^<2+>-dependent insulin release from the pancreatic β cell." J.Biol.Chem.269. 6149-6152 (1994)
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[Publications] N.Mamiya: "Development-related and cell-type specific nuclear localization of annexin XI:immunolocalization analysis in rat tissues." Biochem.Biophys.Res.Commun.202. 403-409 (1994)
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[Publications] A.Mizutani: "The long amino-terminal tail domain of annexin XI is necessary for its nuclear localization" Arch.Biochem.Biophys.(in press). (1995)