1995 Fiscal Year Annual Research Report
光・触媒反応による地球温暖化ガスおよびオゾン層破壊ガスの無害化に関する共同研究
Project/Area Number |
06044162
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
小倉 興太郎 山口大学, 工学部, 教授 (40035077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 経磊 中国科学院, 海洋研究所, 主任研究員
侯 文泰 青島海洋腐食研究所, 副所長
侯 保栄 中国科学院, 海洋研究所, 教授
GESSER H.D. マニトバ大学, 化学科, 教授
中山 雅晴 山口大学, 工学部, 助手 (70274181)
長岡 勉 山口大学, 工学部, 助教授 (00172510)
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Keywords | 温暖化ガス / オゾン層破壊 / 光と触媒 / 炭酸ガス / フロン / メタン / 二重修飾膜 / 腐食 |
Research Abstract |
地球温暖化ガスおよびオゾン層破壊ガスの無害化について研究した。本研究では、特に無害化を低エネルギーで駆動するプロセスの開発を行った。 1 機能化した二重修飾膜電極による炭酸ガスの変換と有効利用。 炭酸ガスを電気化学的に低エネルギーで還元する目的で、無機導電体と導電性高分子膜からなる二重修飾膜に金属錯体を固定した電極を開発した。この電極を用いて電解すると、炭酸ガスは低エネルギーで乳酸やギ酸に変換できることを明らかにした。この結果は温暖化ガスである炭酸ガスの低減化に寄与するばかりでなく、その化学的有効利用という観点からも重要である。この成果はアメリカで平成7年5月に開催された第3回炭酸ガス利用国際会議で発表した。 2 フロンおよびメタンの紫外光分解と無害化。 オゾン層破壊ガスであるフロンを紫外光で分解し、発生する活性種を金属粉末で捕捉することによって無害化した。活性な含塩素種はすべて金属粉末と反応し、塩化物に変換された。塩素ガスは気相には存在せず、無害化プロセスとして有効であることが分かった。メタンは水の光分解で発生するヒドロキシルラジカルの水素引き抜き反応によって活性化できることを明らかにした。生成したメチルラジカルはカップリング反応によってメタノールやエタンに変換することが分かった。また、この系に酸素を添加すると転換率が飛躍的に向上した。 3 有害ガスによるステンレス鋼のピット腐食。 塩素ガスを含む溶液中でステンレス鋼のピット腐食について調べた。ステンレス鋼のピット発生を電気化学的手法によるピット発生電位の測定、走査電子顕微鏡および走査トンネル電子顕微鏡観察から研究した。ステンレス鋼のピット発生は鋼中の添加元素に大きく依存することを明らかにした。ピット発生の抑制には、シリコンとモリブデンの存在が有効であることが分かった。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] 桜井一生: "交番電位パルス電解によるステンレス鋼板の常温着色法" 鉄と鋼. 81. 38-43 (1995)
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[Publications] K.Ogura: "A Conductive and Humidity-Sensitive Composite Film Derived from Poly (o-phenylenediamine) and Poly (vinyl alcohol)" J.Electrochem.Soc.142. L152-L153 (1995)
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[Publications] K.Ogura: "Spectroscopic and Scanning Tunneling Microscopic Characterization of Virgin and Recast Films of Electrochemically Prepared Poly (o-phenylenediamine)" Electrochim.Acta. 40. 2707-2714 (1995)
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[Publications] K.Ogura: "Mediated Activation and Electroreduction of CO_2 on Modified Electrodes with Conducitng Polymer and In organic Conductor Films" J.Electrochem.Soc.142. 4026-4032 (1995)
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[Publications] K.Ogura: "Electrocatalytic Reduction of CO_2 on Metal Complex-Fixed Conductiong Polymer/Inorganic Conductor Electrodes : Study of the Factors Affecting the Efficiency and the Selectivity of the Reduction" IONICS. 21. 17-19 (1995)
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[Publications] A.A.Hermas: "Effects of Alloying Addition on Corrosion and Passivation Behaviors of Type304 Stainless Steel" Corrosion. 51. 3-10 (1995)
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[Publications] W.Lou: "Current Oscillation Observed on a Stainless Steel Electrode in Sulfuric Acid Solutions with and without Chromic Acid" Electrochim.Acta. 40. 667-672 (1995)
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[Publications] A.A.Hermas: "Accumulation of Copper Layer on a Surface in the Anodic Polarization of Stainless Steel Containing Cu at Different Temperatures" Electrochim.Acta. 40. 837-844 (1995)
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[Publications] 後藤日出夫: "アクリロニトリルーブタジェン-スチレン(ABS)樹脂のアイゾット衝撃強度のクレーズ転移温度間でのTEM観察と破壊挙動解析" 高分子論文集. 52. 323-327 (1995)
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[Publications] K.Ogura: "Electrical Conductivity of Poly (vinyl chloride) Obtained by Photodehydrochlorination from Laminated Poly (vinyl chloride)/Polypyrrole Films" J.Polym.Sci.,Part A : Poly.Chem.33. 1375-1380 (1995)
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[Publications] 小倉興太郎: "金属錯体によるCO_2の活性化と接触電気化学還元" 化学. 50. 56-57 (1995)