1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06044167
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大川 尚士 九州大学, 理学部, 教授 (00037219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
崎山 博史 九州大学, 理学部, 助手 (20253396)
松本 尚英 九州大学, 理学部, 助教授 (80145284)
LATOUR Jeanー グルノーブル原子核研究所(フランス), 主任研究員
FENTON David シェフィールド大学, 化学科(連合王国), 教授
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Keywords | マンガンカタラーゼ / 機能モデル / 過酸化水素 / 二核マンガン錯体 / 不均化反応 / マルチ銅酵素 / 二電子伝達 / マンガン(IV)オキソ錯体 |
Research Abstract |
1)マンガンカタラーゼの機能モデルの研究。フェノール性二核化配位子を用いて、μ-フェノキソビス(μ-カルボキシラト)二マンガン(II)錯体を構造モデルとして合成して、コア骨格とカタラーゼ機能の関係を調べた。その結果、(1)二核コアがC_s対称で置換活性部位をシス位に有するときに高いカタラーゼ類似機能を示す、(2)電子スペクトルおよびFABマス質量法をもちいた活性種の検出の結果、二核{Mu(IV)=O}_2が関与している、(3)C_2対称性の二核マンガンは遅い触媒機能しか示さない、(4)この遅い触媒反応は単核マンガン錯体にも認められる-ことを見いだした。さらに速度論的実験結果をもとに、過酸化水素の不均化反応は二核マンガン上に過酸化水素が配位するのが必須であり、プロトン移動を伴いながらcis-{Mn(III)(OH)}_2とcis-{Mn(IV)=O}_2のサイクルで進行することが示された。Mn(IV)が反応に関与することが示されたのはこれが最初である。さらに、二つのマンガンを立体的または電子的に非等価にすると、過酸化水素の″heterolytic″な解裂が併発するために、発生する酸素の量が理論値よりも低くなることを見いだした。 マルチ銅酵素のモデル研究。酵素の関与する電子移動にあずかるマルチ銅の機能モデルを意図して、二核銅ユニット1つと単核銅ユニット2つからなるアセンブリー系の酸化還元挙動を電子スペクトルとESR法を併用して調べた。その結果、単核銅ユニットを2つとも還元すると、還元された単核ユニットから二電子が二核ユニットに移されることが示された:{Cu'(II)--Cu_2(II,II)--Cu'(II)}→{Cu'(I)--Cu_2(II,II)--Cu'(I)}→{Cu'(II)--Cu_2(I,I)--Cu'(II)}。この分子電子移動反応は、酸素への二電子伝達が二核銅ユニットで行われることを示唆している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Adams,N.A.Bailey,D.E.Fenton,M.Ohba and H.Okawa: "Towards a model for Galactose Oxidase:The Crystal Structure of{2-[bis(2-pyridylethyl)-aminomethyl]phenolato}Cu(II)Perchlorate" Inorg.Chim.Acta. 215. 1-3 (1994)
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[Publications] C.Higuchi,H.Sakiyama,R.Isobe,H.Okawa and D.E.Fenton: "Dinuclear Mn(II)Complexes of Unsymmetrical Phenol-based Ligand:Synthesis,Structure and Catalase-like Activity" J.Chem.Soc.Dalton Trans.1009-1103 (1994)
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[Publications] M.Ohba,N.Maruono,H.Okawa,T.Enoki and J.-M.Latour: "A new Bimetallic Ferromagnet with a Rare Rope-Ladder Structure" J.Am.Chem.Soc.116. 11566-11567 (1994)
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[Publications] H.Wada,K.Motoda,M.Ohba,H.Sakiyama,N.Matsumoto and H.Okawa: "Di(phenoxo)Mn_2(II,II)and Mn_2(II,III)Complexes of Macrocyclic Ligands:Structure,Properties,and Catalase-like Function" Bull.Chem.Soc.Japan. 68(印刷中). (1995)
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[Publications] H.Okawa and H.Sakiyama: "Dinuclear Mn Complexes as Functional Models of Mn Catalases" Pure & Appl.Chemistry. 67. 273-280 (1995)
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[Publications] D.E.Fenton and H.Okawa: "Perspectives on Bioinorganic Chemistry(分担執筆)" JAI Press Ltd., 59 (1994)