1994 Fiscal Year Annual Research Report
新らしく見いだされたヌクレオチド結合モチーフの構造
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06044186
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
指吸 俊次 高知大学, 理学部, 教授 (00019564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
キャンベル ウイルバーH ミシガン工科大学, 生化学, 教授
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Keywords | ヌクレオチド / モチーフ / NADH-シトクロムb5還元酵素 / 硝酸還元酵素 / 結晶構造 / ミノ酸置換 |
Research Abstract |
本研究では、最近同定された「FNRファミリー」に含まれるNADH-シトクロムb5還元酵素(b5R)、硝酸還元酵素(NR)に見い出された新しいヌクレオチド結合モチーフの構造について研究を行なった。ヒトb5Rと、植物の硝酸還元酵素のFAD結合ドメインは、昨年中に2.5A-2.0A分解能で結晶構造が結定され、FNR(フェレドキシン-NADP還元酵素)の活性中心(ヌクレオチドFAD,NADHの結合部位)の構造との違いが明らかになった。 これらの酵素は同じファミリーに属しているが、b5RとNRは、特に以下の諸点でFNRと異なることがそれぞれの結晶構造の解析から明らかとなった。即ち、1)前2者の方がFNRよりコンパクトに詰まっている、2)前2者のC-末端と補酵素FADは離れているが、FNRではC-末端のチロシンがFADと近接し、相互作用している、3)b5RのFb5からFa1へ向うループはFSADをカバーしているが、FNRではカバーしていない、4)前2者ではN末端ドメインとC末端ドメインをつなぐループが長くbシートを含んでいる、こと等が明らかとなった。 ヌクレオチド結合モチーフの解析に関して、b5Rでは特にC-末端部分の疎水性アミノ酸(フェニールアラニン、バリン)がヌクレオチドFADの結合を安定化していることを、アミノ酸置換した種じゅの変異酵素を作りそれらの性質を解析した結果から明らかにした。また硝酸還元酵素のFAD結合ドメインでは、酵素に含まれる5分子のシステインのうち242番目のシステインがNADHとの結合に関与していることをアミノ酸置換を行なった変異酵素の解析により示めした。 来年度は、特に両酵素のヌクレオチド結合モチーフを構成するアミノ酸の役割について明らかにする計画である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yubisui,T.: "Structure and function of NADH-cytochrome b5 reductase iu relation to hereditary methemoglobinemia" Flavins and Flavoproteins. 395-404 (1994)
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[Publications] Shirabe,K.: "Role of flavin binding motif,RxY(T/S),of NADH-cytochrome b5 reductase in electron transfer reaction" Flavins and Flavoproteins. 405-408 (1994)
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[Publications] Takano,T.: "The structure of human erythrocyte NADH-cytochrome b5 reductase at 2.5A resolution" Flavins and Flavoproteins. 409-412 (1994)
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[Publications] Shirabe,K.: "An in-frame deletion of codon 298 of the NADH-cytochrome b5 reductase gene results in hereditary methemoglobinemia type II" J.Biol.Chem.269. 5952-5957 (1994)
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[Publications] Lu,G.: "Crystal structure of the FAD-containing fragment of corn nitrate reductase at 2.5A resolution" Structure. 2. 809-812 (1994)