1994 Fiscal Year Annual Research Report
KEK陽子シンクロトロンでのK^+中間子崩壊における時間反転不変性の研究
Project/Area Number |
06044216
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Research Institution | National Laboratory for High Energy Physics |
Principal Investigator |
今里 純 高エネルギー物理学研究所, 物理部, 教授 (40107686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHIN Y.M. サスカチュワン大学, 物理, 教授
HASINOFF M. ブリティシコロンビア大学/TRIUMF, 教授
KUDENKO Y.G. ロシア科学アカデミー, 原子核研究所, 上級研究員
LOBASHEV V.M ロシア科学アカデミー, 原子核研究所, 教授
宮島 光弘 高エネルギー物理学研究所, 放射線安全管理センター, 助教授 (50044756)
新井 一郎 筑波大学, 物理学系, 講師 (50134440)
浅野 侑三 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (80100808)
田村 裕和 東京大学, 理学部, 助手 (10192642)
杉本 章二郎 東京大学, 原子核研究所, 教授 (20044753)
久野 良孝 高エネルギー物理学研究所, 物理部, 助教授 (30170020)
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Keywords | K^+崩壊 / Tの破れ / 陽子シンクロトロン / CsI(Tl) / ファイバーターゲット / ポラリメータ |
Research Abstract |
本研究は、高エネルギー物理学研究所の陽子シンクロトロン加速器で、K^+中間子の崩壊K^+→π^0μ^+νにおいて時間反転不変性の破れを探索する実験を国際協力で実施することを目的としている。今年度は、超伝導トロイダルスペクトロメータを用いた実験の測定器の開発と製作、及びシミュレーション計算にもとに実験方法の設計の具体化を進めた。測定器はK^+中間子を止めるアクチィブファイバーターゲット、π^0中間子を検出するためのCsI(Tl)検出器、μ^+を検出してその軌道をトラックするワイヤーチェンバー、μ^+の偏極を精密に測定するポラリメータ等で構成される。このうちπ^0検出器はロシア科学アカデミー原子核研究所(INR)のグループが、ウクライナのハリコフで生産された768本の結晶を用いて高エ研において完成し、性能試験と較性測定に入った。PINダイオードによる光読みだしを行うが、全ての結晶モジュールで非常によい光量とS/N比を得ている。検出器としての分解能等の性能の検討も計算によって行なわれた。ターゲットとC1チェンバーはカナダのTRIUMF研究所が担当している。今年度はC1チェンバーの製作が当地で進められ、また、読みだしのための電子回路の製作もTRIUMF研と高エ研との協力で進められた。ターゲットの設計がこれもTRIUMF研で始まり、シンチレーションファイバーと光電子増倍管の試験等の準備研究が双方で実施された。また、実験は陽子シンクロトロンのK5チャネルで行なわれるが、ビームスタディをINR及びTRIUMFの研究者を迎えて実施した。ポラリメータについては、アルミ板をスタックして有効密度をさげたμ^+ストッパーを用いる型の物が検討され、詳細設計に入った。測定器の準備作業は来年度の半ばに完了し、測定に入る予定である。
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