1994 Fiscal Year Annual Research Report
X線天文衛星Astro-D、ROSATによるX線天体の研究
Project/Area Number |
06044225
|
Research Institution | Institute of Space and Astronautical Science |
Principal Investigator |
井上 一 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 教授 (40092142)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FINK H. マックスプランク研究所, 研究員
VOGES W. マックスプランク研究所, 研究員
BRINKMANN W. マックスプランク研究所, 主任研究員
TRUEMPER J. マックスプランク研究所, 教授
常深 博 大阪大, 理, 助教授 (90116062)
小山 勝二 京都大学, 理, 教授 (10092206)
堂谷 忠靖 宇宙科学研, 宇宙圏研究系, 助手 (30211410)
満田 和久 宇宙科学研, 宇宙圏研究系, 助教授 (80183961)
田中 靖郎 宇宙科学研, 名誉教授 (10022534)
小川原 嘉明 宇宙科学研, 宇宙圏研究系, 教授 (80013671)
長瀬 文昭 宇宙科学研, 企画情報解析センター, 教授 (00022690)
|
Keywords | X線天文学 / 科学衛星 / 同時観測 / X線スペクトル / 宇宙の高温ガス / X線天体 |
Research Abstract |
わが国4番目のX線天文衛星「あすか」(Astro-D)は、打ち上げ後二年目に入り順調に観測を続けている。一方、ドイツのX線天文衛星ROSATも打ち上げ後五年目をむかえいぜんとして観測を続けている。「あすか」のX線望遠鏡は3keV以上のX線に対し、1分角程度の解像力ながら衛星としてははじめて撮像能力をもち、かつ、これまでにない感度をもつ。また、世界で初めてX線CCDを搭載し精密な分光をする能力を有している。一方、ドイツのX線天文衛星ROSATに搭載されたX線望遠鏡は、2keV以上のX線に対する感度はないが、数秒角というすぐれた解像力をもつ。また、「あすか」には0.5keV以下のX線に対する感度はないがROSATは0.2keVほどのエネルギーの低いX線にも感度がある。このように、「あすか」とROSATは互いに相補的な能力をもっており、打ち上げ以降、両者が同じX線源を観測する同時観測が何回か組まれている。また、ROSATは90年に打ち上げられたあと、数カ月かけて全天のサーベイ観測を行っており、「あすか」の観測する方向のさまざまな情報を提供してくれている。このように、日独の研究者は現在、両衛星を用いて、たがいに、協力して観測を行ってきている。今年度は、国際天文連合総会とテキサスシンポジウムという大きな国際研究会の場で、本国際学術研究の結果を含む研究発表を行うとともに、両者のデータ解析の結果を持ち寄っての打ち合わせを行った。本科学研究費補助金の援助のもと、「あすか」とROSATの同時観測や、それぞれの特徴を生かした観測データの比較を軸として、日独の研究者による共同研究は着々と広がりと深まりを見せている。
|
-
[Publications] S.D.Vrtilek,et al.: "Multiwavelength Observations of Hercules X-1/HZ Herculis" Astrophys.J.Letters. 436. L9-L13 (1994)
-
[Publications] M.Elvis,et al.: "An ASCA GIS Spectrum of S5 0014+813 ATz=3.384" Astrophys.J.Letters. 436. L55-L58 (1994)