1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06045007
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
新井 幸三 群馬大学, 工学部, 教授 (60008456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MENZIES Alan NEWI, 助手
WILLIAMS Pet NEWI, 助教授
PHILLIPS Gly 東北ウエールズ高等教育インスティチュート(NEWI), 教授
米山 賢 群馬大学, 工学部, 助手 (40230841)
瀧上 昭治 群馬大学, 工学部, 助手 (70143203)
久保田 仁 群馬大学, 工学部, 助教授 (20089816)
荒井 健一郎 群馬大学, 工学部, 助教授 (50008455)
甲本 忠史 群馬大学, 工学部, 教授 (00016643)
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Keywords | ヘパリン / 抗血液凝固活性 / 結合領域 / 化学修飾ヘパリン / ヒアルロン酸 / アラビアガム / 収着水 / 凍結束縛水 |
Research Abstract |
ヘパリンは抗血液凝固活性をもつ硫酸多糖で、タンパクにガラクトース残基をもつ特定の糖配列からなる結合領域を介して結合している。市販ヘパリンは、この糖タンパクの加水分解物である。ヘパリン活性に及ぼす結合領域の寄与を明らかにするため、ヘパリンと1-フルオロ-2,4-ジニトロベンゼン及び2,4,6-トリニトロベンゼンスルホン酸との反応を利用し、糖残基中のアミノ基、アミノ酸残基中のα-アミノ基及びガラクトース残基C6の水酸基を選択的に封鎖した化学修飾ヘパリンのAPTT活性を調べた。分子量が同程度の3種の市販ヘパリン試料で次の結果が得られた。(i)すべてのアミノ基及びガラストースC6水酸基を封鎖すると抗凝固活性は元の活性の1/3に、(ii)α-アミノ基のみを封鎖すると1/2に、また(iii)すべてのアミノ基を封鎖すると2/3に低下した。これらの結果から結合領域は活性の発現に関係し、フリーアミノ基をもつヘキソサミン残基は活性を低下させることがわかった。 ヒアルロン酸(HA)は哺乳動物の結合組織やニワトリのとさかなどに多量に分布する。アラビアゴム(GA)はアカシアの樹脂から抽出した、複雑な構造をした架橋性の高分子電解質である。本研究は、ヒアルロン酸の架橋物であるハイラン(CHA)とアラビアゴムの収着水の相転移をDSCにより測定し、架橋電解質多糖類中の水の状態について検討した。これら架橋多糖類の凍結束縛水量は、HAなどの線状ポリマーに比べると多く、また、束縛水の大半は凍結融解の行程を繰り返すと自由水へと変化した。しかし、室温で半日放置すると元の束縛水へと可逆的に復帰した。架橋多糖類にはポリマーとの相互作用の程度が異なる2種類の凍結束縛水の存在を認めた。自由水に可逆的に変化する弱く束縛された凍結束縛水はポリマーの網目構造中に取り込まれた水と推定された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Takigami,M.Takigami,and G.O.Phillips: "Hydration of the Cross-linked Hyaluronan in Relation to Another Highly Cross-linked polysaccharide,Acacia Senegal (Gum Arabic)" Carbohydrate Polymer,. (in press).
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[Publications] G.O.Phillips,S.Takigami,and M.Takigami: "Hydration Characteristics of Gum Exudate from Acacia Senegal" Food Hydrocolloids,. (in press).
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[Publications] K.Arai,N.Fukushima,M.Yoneyama S.Takigami,A.R.Menzies,and H.E.Edwards: "Anticoagulant Activities of Chemically Modified Heparins" Carbohydrate Polymer. (投稿準備中).