1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06045011
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
伊豫谷 登士翁 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (70126267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
サカイ ナオキ コーネル大学, アジア研究, 助教授
ドベリー ブレット コーネル大学, アジア研究, 教授
コシュマン ヴィクター コーネル大学, アジア研究, 教授
八木 久美子 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (90251561)
丹羽 泉 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (80242220)
藤井 毅 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (20199285)
鈴木 茂 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (10162950)
中野 敏男 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (10198161)
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Keywords | 日本研究 / 国民国家 / エスニシティ / ナショナリティ / 多文化主義 / レイシズム / オリエンタリズム / 移民 |
Research Abstract |
本年度は、(1)10月に、東京外国語大学から伊豫谷と丹羽の2名がコ-ネル大学を訪問し、(2)7月に、コ-ネル大学からナオキ・サカイが本学を訪れた。7月の本学で開いたワークショップでは、サカイは、「翻訳について」のテーマで報告をするとともに、氏の近著『死産される日本語・日本人』の合評を行った。また、この会には、台湾から陳光興氏も参加し、今後の両大学のプロジェクトの進め方について議論した。10月のコ-ネル大学で開催した会では、丹羽「在日朝鮮人のアイデンティティをめぐって」、伊豫谷「日本社会と移民」というテーマで報告を行い、コ-ネル大学の大学院生を含めて議論をした。これら両大学間の交流を通じて、(1)日本を地域研究のひとつとして捉えてゆくこと、(2)しかし、冷戦体制の崩壊によるイデオロギーを軸とした対立の解体が、日本研究を含めた地域研究のあり方に動揺をもたらしてきていること、(3)日本研究における文化研究のもつ功罪を明らかにし、地域研究あるいは日本研究の方法を問い直す必要があること、などが確認された。これらの研究成果は、本プロジェクトの中心メンバーを編者とする『ナショナリティの脱構築』(柏書房)として刊行することができた。さらに、本書は、英文に翻訳し、コ-ネル大学出版会より刊行されることになり、すでに翻訳は完了した。今後は、これまでの相互の研究交流を深めるとともに、来年度以降、新たなテーマのもとに、日本人研究者の参加枠を拡大し、さらにアジア、オーストラリア等アジア・太平洋地域の研究者との研究交流を計画している。
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[Publications] ブレット・ドベリ-: "「二つのことば・二つのこころ-森崎和江と言語行為の政治-」" 思想 岩波書店. 866. 114-145 (1996)
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[Publications] 藤井毅: "「ア-リヤ・サマージのカースト再編運動」" 歴史学研究. 690. 84-93 (1996)
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[Publications] 伊豫谷登士翁: "近代世界システムと周辺部国家(ナショナリティの脱構築 所収)" 柏書房, 330 (1996)
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[Publications] 伊豫谷登士翁: "日本の国際化と外国人労働者-国民国家の時代から移民の時代へ (伊豫谷・杉原編 日本社会と移民)" 明石書店, 323 (1996)
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[Publications] 中野敏男: "暗愚な戦争 という記憶の意味-高村光太郎の場合(ナショナリティの脱構築 所収)" 柏書房, 330 (1996)
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[Publications] ナオキ・サカイ: "死産される日本語・日本人-「日本」の歴史-地政的配置" 新曜社, 300 (1996)
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[Publications] J.Victor Koschmann ヴィクター コシュマン: The Univarsity of Chicago Press27HC05:Revolution and Subjectivity in Postwar Japann, 293 (1996)