1994 Fiscal Year Annual Research Report
多成分多相系高分子複合系のモルホロジーと気体選択透過性に関する協力研究
Project/Area Number |
06045018
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
辻田 義治 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70016591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉水 広明 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (10240350)
木下 隆利 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (60135407)
HIGGINS J.S. Imperial College, Dept. of Chemical Engine, 教授
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Keywords | ポリマーブレンド / ポリスチレン / ポリカーボネート / 非相溶 / 収着等温曲線 / 二元収着モデル |
Research Abstract |
本研究ではポリマーブレンド膜の成分組成と気体輸送特性の相関関係について検討するために、非相溶系ブレンドであるポリスチレン/ポリカーボネート系ブレンド膜を用いて二酸化炭素の収着測定を行った。ポリスチレン/ポリカーボネート系ブレンド膜の組成は20/80、50/50、80/20、のものを用い、1,4-ジオキサンを共通溶媒として混合し完全に溶解した後、100℃にてキャストして得た。室温で充分真空乾燥し、さらに真空下160℃で3時間保持した後、約1℃/minで室温まで徐冷した。25℃における二酸化炭素の収着測定は、重量法により行った。ポリスチレン/ポリカーボネート系ブレンド膜の二酸化炭素収着等温曲線は他の典型的なガラス状高分子膜における気体収着挙動と同様な傾向を示し、二元収着モデルで説明可能であった。また、ポリカーボネートの組成比が増加するとともに二酸化炭素の収着量は増加した。しかし、その増加挙動は単にポリスチレンとポリカーボネートの二酸化炭素収着能の違いだけでは説明付けられないものであった。即ち、各ポリスチレン/ポリカーボネート系ブレンド膜の収着量は、二成分の単純な加成性が成り立つと仮定したときの収着量よりも大きな値であった。このことから、ポリスチレン相の中へポリカーボネートの一部が溶け込み、これによる収着量への寄与が大きいと考えられた。DSC測定からもこのことを裏付ける結果が得られた。
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