1996 Fiscal Year Annual Research Report
マラリア原虫スポロゾイトのハマダラカ唾腺への集積機構とそれを利用したワクチン開発
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06045019
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
安藤 勝彦 三重大学, 医学部, 助教授 (90024710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAIKHEL Alex ミシガン州立大学, 昆虫学科, 教授
鎮西 康雄 三重大学, 医学部, 教授 (60024709)
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Keywords | Plasmodium berghei / スポロゾイド / 蚊 / 唾液腺 |
Research Abstract |
1.An.stephensiの唾液腺抽出液をマウスに3回注射し、抗体価の上昇を確認した上で脾臓をとり、ミエローマ細胞と融合してハイブリドーマを作製した。そしてそれらの中から、An.stephensiの唾液腺を用いた蛍光抗体法により、唾液腺表面と特異的に反応する抗体を作るクローンを選抜した。この選抜を3回繰り返し、結局2個の単クローン抗体産生細胞をつくることができた。 2.An.stephensiの唾液腺約900個をすりつぶした後、AGPC法によりRNAを抽出し、oligotexを用いてpolyA(+)RNAとし、cDNA合成キットを使用しcDNAを合成した。これにリンカーを付加しλgtllファージヘライゲイションし、cDNAライブラリーを作製した。 3.蚊An.stephensiの唾液腺膜に特異的に反応する単クローン抗体により唾液腺cDNAライブラリーをスクリーニングし、唾液腺の膜構成タンパクcDNAと考えられる4個のクローンを得た。これら4個のクローンのDNAのインサートのサイズを電気泳動により調べたところ、Mp-1が1450bp、Mp-2が360、Mp-5が220bp、Mp-11が790bpであった。これらを制限酵素処理した結果ではMp-2とMp-11は同じパターンを示したが、部分的にシークエンスしたところ異なるクローンであることが判明した。さらに、制限酵素によるマッピングではMp-1、Mp-5はそれぞれ異なるクローンであることがわかった。 4.4個のクローンについては全長cDNAクローンをとるため、得られたクローンの5端の一部をプローブとし、cDNAライブラリーを用いてRACE法を行ない、それぞれより長いクローンを得た。これらが全長かどうかを検討し、同じ方法を繰り返すことにより、ほぼ全長と考えられる4個のクローンを得た。 5.4個の全長cDNAクローンのサイズの決定、塩基配列の解析、これらクローンの一部をプローブとして唾液腺その他の組織RNAを用いたノーザン解析等を現在実施中である。
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[Publications] Y.Satou,H.Matsuoka,M.Araki,K.Ando,Y.Chinzei: "Effect of temperature to Plasodium berghei and P.yoelii on mosquito stage in Anopheles stephensi" Jpn.J.Parasitol.45. 98-104 (1996)