1995 Fiscal Year Annual Research Report
超音波法を用いた日中両国における肝疾患と肝癌の早期発見と対策についての比較研究
Project/Area Number |
06045050
|
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
伊東 紘一 自治医科大学, 医学部・臨床病理部教授 (60095007)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
孫 炎 北京医科大学, 肝病研究所, 助教授
王 豪 北京医科大学, 肝病研究所, 助教授
陶 基敏 北京医科大学, 肝病研究所, 教授
川井 夫規子 自治医科大学, 医学部・臨床病理, 助手 (30254931)
中村 みちる 自治医科大学, 医学部・臨床病理, 助手 (00227943)
谷口 信行 自治医科大学, 医学部・臨床病理学, 講師 (10245053)
|
Keywords | 肝硬変 / 肝細胞癌 / 超音波検査 / 集団検診 / 高危険群 |
Research Abstract |
超音波検診は平成6年度に引き続き、risk factorを持つ群と、持たない群について行い、おのおの1000例以上の検査数を重ねている。一方、本年度の重点項目として、超音波検診により発見された肝腫瘤の確定診断の目的で超音波ガイド下穿刺生検の手法導入を、また集検データについて中国で最も適切と考えられる記録法について検討を行った。 肝腫瘤の穿刺は、肝癌と他の血管腫、再生結節、などとの鑑別診断を安全に行う上で重要で、X線CTや、MRIでは十分な診断が得られない小肝癌の診断にとって欠かせない手技である。手技は本邦で、広く行われているもので、穿刺専用の探触子を用いて北京医科大学肝病研究所で行ったものである。全体で55名の肝疾患(内訳)を対象におこなわれ、特に肝癌が問題になったものは8腫瘤であり、うち3例で生検により発見された。なお、病理標本については、所見を両大学検討できるようにいずれも2枚以上作製し、検討保存した。肝腫瘤の確定診断の目的でおこなう肝穿刺が可能となったことは、診断のみでなく次の治療戦略に重要な意味をもつ。それはこの手技は肝癌の治療として重要な位置を占めている腫瘍を超音波で見ながらエタノール注入療法を行う第一歩であるからであり、現在中国で主に肝癌の治療法として行われている侵襲的な肝切除以外の新たな治療方となりえる。 一方記録法については、日本で多く行われているハードコピーによる記録法は、中国ではコストの面より適切な方法とはいえず、本検討ではビデオテープによる記録を行った。この方法では、一人当たり1から2分間の記録を行った場合でも、一人当たりの記録に要するコストは5円程度となり、他の方法と比較しても最も経済的負担が少なかった。ただし、中国での記録法はPAL方式であり、再生は自治医科大学側の専用装置を用いた。
|
-
[Publications] 谷口信行、伊東紘一ほか: "中国北京における肝癌のhigh risk groupを対象とした超音波検診" 第34回日本消化器集団検診学会、仙台. (1995)
-
[Publications] 孫炎、王豪ほか: "超声引導下肝臓細針組織学活検査75例総結" 第9回中日友好超声医学国際学術交流会西安、10月. (1995)
-
[Publications] Wang H,Sun Y,Zhang L,et al.: "The examination of hepatic-cholangoio system with B ultrasonography in 10350 subjects." Abstr of the 4th Cong of the 4th AFSUM 1995,Beijing.(1995)