1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06101001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
盛山 和夫 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50113577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白倉 幸男 大阪大学, 人間科学部, 教授 (20135643)
今田 高俊 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (00107517)
海野 道郎 東北大学, 文学部, 教授 (90016676)
高坂 健次 関西学院大学, 社会学部, 教授 (60027977)
原 純輔 東北大学, 文学部, 教授 (90018036)
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Keywords | 社会階層 / 社会移動 / 職業威信 / 職業経歴 / 階層意識 / 社会的公正 |
Research Abstract |
平成8年は、前年度に一応終了したデータ・コーディングを経て、6月に集中的にデータ・クリーニングを実施し、7月には研究組織を再編して分析を開始した。その後も分析過程で発見されるデータのエラーを修正して、12月にほぼ完全データを確立した。それに伴い、12月にコード・ブックを作成、3月に基礎集計表を作成予定になっている。 これまでの主な分析結果は次の通り。(1)ブルーカラー層の縮小が、とりわけ女性において著しい。(2)世代間社会移動に関しては、若年層でやや固定化の様子が見られるものの、全体としてはやや開放化の傾向もみられ、今後用いる指標を吟味しながら正確な確定が必要である。(3)階層帰属意識と政党支持は、75年以降の基調が継続している。(4)性別役割意識は、この10年間に著しい平等化の方向へ変化した。(5)職業的な世襲ではなく、教育が地位達成の主要ルートとしてますます重要になってきている。(6)しかし、教育達成は男女とも出身階層間格差が85年以降やや強まる傾向を示している。(7)女性では、若年層がそれ以前に比して、高学歴者のキャリア志向と中等学歴者の主婦志向という分化を示しているように見えるが、まだより慎重な分析が必要。(8)公平感については、「努力にみあった処遇=公平」とする考えが日本人にはもっとも強いが、現実は「実績に見合って処遇されている」とみており、この「努力主義」はアンビバレントな学歴意識と関連している可能性がある。 以上の内容は、昨年11月の日本社会学会大会で報告された。また、日本行動計量学会の機関誌に研究論文として掲載されることが決まっている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 盛山和夫: "階層研究と計量社会学" 行動計量学. 24-1. (1997)
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[Publications] 原純輔: "戦後日本の階層と階層意識-SSM調査1955-1995年の軌跡" 行動計量学. 24・1. (1997)
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[Publications] 近藤博之: "教育と社会移動の趨勢" 行動計量学. 24・1. (1997)
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[Publications] 宮野勝: "公正観の論理構造" 行動計量学. 24・1. (1997)
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[Publications] 鹿又伸夫: "戦後日本における世代間移動の変動" 行動計量学. 24・1. (1977)