1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06203103
|
Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
春日 雅司 摂南大学, 経営情報学部, 助教授 (90152660)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹安 栄子 追手門学院大学, 文学部, 助教授 (70131414)
|
Keywords | 戦後日本 / 文化形成 / 女性議員 |
Research Abstract |
この研究では、昨年収集した名簿をもとに、全国の女性地方議員(県会議員、東京都議会議員、市町村議員)を対象に、その社会的背景、政治的社会化、議会活動、選挙活動などと並んで戦後日本における政治を媒介とする女性と文化の形成について、アンケート法による調査を実施した。調査は、改選時期を迎えている自治体については少しずらして実施されたが、原則として1994年10月1日現在で行なわれ、発送総数は2,117、回収数900(回収率46.8%)であった(県議会45名、市区議会580名、町議会344名、村議会29名、議会不明2名)。 その結果、戦後日本における政治的な文化形成と女性の役割に関連した問題に限定してみると、女性が参政権を獲得して半世紀、その間に女性の政治に対する意識に変化があったかどうかを聞いた質問では、「あった」とする回答が村議会で8割、他のレベルはいずれも9割に達した。それではこの変化が「いつ頃からか」とする質問では、どのレベルでも「戦後すぐ」と「昭和60年からの5年間」で多かった。(村議会では昭和50年代の5年間も多い)。さらに、その変化の具体的内容は実に様々であったが、戦後すぐの時代は選挙権の獲得や平和憲法の制定など、また昭和60年代以後では政治腐敗と並んで女性が積極的に政治の世界へ踏み込んでいった出来事(女性自身の意識変化だけでなく、女性を見る社会=男性の側の意識変化)がとり上げられていた。したがって、戦後日本における女性にとっての政治文化は、戦後直後は上からの変化であったのに対し、昭和50〜60年前後からは、次第に女性自身が主体的に政治へ関わり始め、それによって日本の政治文化も大きく変化してきている、その現われの一つが女性議員の増加および女性の投票率の高さであると考えることができる。
|