1994 Fiscal Year Annual Research Report
乳児の概念・知識・理論の発達肘研究;数、生物、物理、心の概念とその因果性を例として
Project/Area Number |
06205215
|
Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
落合 正行 追手門学院大学, 文学部, 教授 (10098098)
|
Keywords | 乳児 / 数の知識 / 生物の知識 |
Research Abstract |
1数の知識-加減操作課題-0‐6カ月群から25‐30カ月31名を用い、1匹のおもちゃの金魚を提示し、スクリーンで隠し、再提示(この注視時間が基準値)し、次に1匹のおもちゃの金魚を提示し、スクリーンで隠し、新たに1匹の金魚をスクリーンの背後に入れ、スクリーンを開けたときの1匹と2匹の場合の1分間の注視時間を測定し、2要因(年齢X事態)の分散分析の結果、総注視時間(1分間中に刺激を注視した総時間)で年齢、事態(スクリーンを開けた後の金魚の個数)とも主効果が見られたが、交互作用は見られなかった。2個の方が基準値や1個より有意に長い注視時間であった。0‐6カ月児と19‐24カ月児が他の時期より注視時間が長かった。生後半年以内から1+1=2であることを知っている可能性があるが、別の方法で検討を要する。 2生物の知識0‐6カ月から73-84カ月99名に、スプーンを箱の上で手で動かす条件と磁石で動かす2条件を同時に赤ちゃんに示して、1分間中の総注視時間を測定し、2要因(年齢X条件)の分散分析の結果、条件に主効果が見られたが、年齢にはみられなかった。交互作用はみられた。磁石で動く、見掛け上スプーンが自ら動いている条件の方が有意に注視時間が長かった。どの年齢群においても条件間に注視時間に優位な違いが見られた。磁石で動かす条件の方が、手で動かす条件より注視時間が長かった(図2)。また、磁石の注視時間が0歳、2歳、5、6歳で違い、年少時と年長時で注視時間が長く、同じ注視でも見る側の知識によって内容が違うと予想される。本実験の結果は、2カ月児でさえスプーンが一人で動く場合の方を長く注視することから、かなり早くから無生物が自発運動をしないということを知っている可能性を示唆するものと考えられる。
|