1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06212222
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Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
高橋 成子 京都市立芸術大学, 美術学部, 助教授 (90216721)
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Keywords | 感性 / 絵画表現 / 意味 / 芸術体験 |
Research Abstract |
本研究では、線画に与えられる「意味」の一般性について検討するために、表題が添えられていない時に具象的でない線画に実際に付与される意味と、その絵が表現しようとしている表題の言葉に付与される意味を比較検討した。このために、因子分析によって、絵と言葉に適応可能な主要意味次元を定位しその意味次元での絵と言葉との関係を決定した。 意味判断の因子構造を得て、刺激の型と因子得点との関係を決定した。セントロイド法によって因子化し直交回転した。線画、言葉及び全サンプル(線画と言葉)に対して3因子が得られ、Evaluation-Potency-Activityの因子パターンと対応した。Potency因子を特徴づける尺度のカテゴリーは絵と言葉で異なった。これは、線画では、Potency因子が触覚的知覚属性を表わす尺度の組合せとなっており、外延的妥当性に基づいて移行していると考えられる。個別刺激についてプロフィールは、言葉とその言葉をテーマとして描かれた線画では非常に類似している。そこで、個々の絵及び言葉の意味を全サンプルについて求めた因子分析結果を基に位置づけた。結果は、言葉(例えば「怒り」)とその言葉(「怒り」)をテーマとして描かれた線画に付与された意味はよく対応することを明らかにした。この対応は、言語的概念と絵によって共有される普遍的な意味参照空間の存在を示唆する。ここで用いられた線画は、言語的概念またはその視覚的等価物(物の形やマーク)によって表示されてはいないが特定の概念を効果的に伝達することが出来る。それらは、隠喩を基盤として意味を暗示する。従って、これらの線画に付与された意味は、被験者にとって親しみ深い実際の対象物から一般化されることから生じるものではなく、線画の構造がもつ固有のシンボリックな内容に起因すると考えることが出来る。
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[Publications] T.Kaihara,S.Takahashi,A,Takemoto & Y.Ejima: "A linkage of chromatic and achromatic cues in neon color effect." Japanese Psychological Research. 36. 138-148 (1994)
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[Publications] 高橋成子: "絵画技法の知覚的効果と感性表現の研究" 文部省科学研究費補助金重点領域研究研究成果報告書「感性情報処理の情報学・心理学的研究」. 印刷中.