1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06216230
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水貝 俊治 大阪大学, 理学部, 助教授 (50028263)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / ラマン散乱 / フォノン / マグノン / スピン-フォノン相互作用 |
Research Abstract |
高温超伝導銅酸化物では超伝導転移やスピンギャップの形成に伴い、スピン-フォノン相互作用を通してフォノン・エネルギーや寿命に異常にあらわれることが最近のラマン散乱や赤外分光の詳しい研究により明らかになってきた。NormandらはYBa_2Cu_3O_<7-δ>の場合銅原子が酸素原子面から0.256Åずれていることから銅原子間の交換相互作用を非一様にする340cm^<-1>のB_<1g>のモードがスピン・ギャップに対応する温度で変化するが、一様に変調するA_gモードではほとんど変化しないことを示した。同様なことが他の化合物でも成り立つかどうかを確かめるためにPb_2Sr_2Ho(Y)_<1-x>Ca_xCu_3O_<8+δ>でラマン散乱の実験を行った。この化合物では銅原子は酸素原子面から0.227Åずれているので同様の効果が期待されたがB_<1g>モード変化が少なく明瞭な異常が起こる温度を特定できなかった。A_gモードTc付近で温度変化に段差を示し、150K付近ですべての試料で段差を示す。 一次元S=1/2反強磁性体では非常に大きな量子スピン効果か期待される。Ca_2CuO_3及びCuGeO_3の2-マグノン散乱を観測し、量子スピン特有のdes Cloizeaux and Pearson分散曲線より高エネルギーの励起連続体からの2-マグノン励起が大きな寄与をすることが分かった。Ca_2CuO_3とLa_2CuO_4の共鳴多重フォノン散乱の類似性から共鳴ラマン散乱に関係する電荷移動ギャップ近傍の電子状態はフォノン及びスピンと結合した小さなエキシトンであると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Sugai: "Raman Studies of Electron-Lattice Interaction in the Strongly Correlated Electron System" Bull.Electrotech.Lab.58. 420-425 (1994)
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[Publications] H.Hori,M.Hurusawa,T.Takeuchi,S.Sugai,他2名: "Magnetic Measurements of CuGeO_3 by Means of High Magnetic Field" J.Phys.Soc.Jpn.63. 18-21 (1994)