1994 Fiscal Year Annual Research Report
低分子ゲル化剤が形成するゲル中でのラジカル重合に及ぼす磁場効果
Project/Area Number |
06218222
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
佐藤 恒之 徳島大学, 工学部, 教授 (20047187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
妹尾 真紀子 徳島大学, 工学部, 助手 (40226676)
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Keywords | ラジカル重合 / 磁場効果 / 低分子ゲル化剤 |
Research Abstract |
低分子ゲル化剤として12-ヒドロキシステアリン酸(12HOA)を用いてゲル中で進行するラジカル重合について検討を行った。 1.12HOAゲル中、1000〜14000G磁場存在下でメタクリル酸メチルの重合を行ったところ、磁場強度の低い範囲では(<7000G)ほとんど重合結果に差は見られなかったが、磁場強度が強くなると磁場中で重合を行ったものがポリマー収率、分子量ともに若干増加する傾向が見られた。しかし、生成したポリマーの立体規則性には違いはみられなかった。 2.またゲル構造についてSEM観察およびCDスペクトルから検討を行ったところ磁場によってその構造が変化することを示唆する結果が得られた。SEM観察からは、磁場存在下で形成したゲルは不在下で形成したゲルにみられる組織構造とは異なるパターンが観察された。さらに磁場存在下でのCDスペクトルの変化について検討したところ、ある濃度以上ではこの変化に履歴が認められ、一方これより低濃度の範囲では逆の変化の傾向を示し、その変化も可逆的であった。 実際、これらゲルの構造の変化が重合結果に大きく反映する重合結果は得られなかった。磁場は重合系内の分子配向に影響するだけでなく、開始ラジカルのスピン対にも多重度の変化に関して影響をもたらす。これらの効果が異なるG磁場強度依存性を示し、総合的に重合結果に現れてくるため、磁場配向による磁場効果を明らかにするためにはゲル構造の変化と重合結果を対応させて検討する必要がある。
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