1994 Fiscal Year Annual Research Report
複素古典力学を用いた半古典経路積分法の化学反応への適用
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06219208
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
足立 聡 東京工業大学, 理学部, 助手 (90211698)
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Keywords | 量子カオス / 半古典論 / 反応動力学 |
Research Abstract |
(1)共線的なAB+C→A+BCタイプの反応動力学のモデルとしては、LEPSをもちいる。3個の原子のうちの1個が他から遠くはなれている場合には、残りの2個の原子の間にはたらく力が、Morseポテンシャルで記述されるようにする。Morseポテンシャルに対する1次元固有値問題は解析的に解けるので、反応の前後の状態を記述することが容易になり、この系は共線的なAB+C→A+BCタイプの反応動力学の標準モデルと考えられる。 (2)そのモデルの量子力学を、直接シミュレーションで調べる。モデル系の量子論による直接シミュレーションには、Kosloffにより発展させられたFFT法とYoshida-Ikeda-Takahashiにより提案されたSymplectic Integrator法を組み合わせて使う。このプログラムは、たいへんうまく動作している。 (3)余次元2のStokes現象を、純粋培養した場合に調べる。余次元2のStokes現象は、Pearcey関数P(x,y)、あるいは等価な関数であるが、Cuspに対する回析カタストロフィー関数C(x,y)の中に、その本質が埋め込まれている。したがって、この"標準系"におけるStokes現象を調べる必要がある。(この関数は、積分表示で定義されている。そして、被積分関数は非常に激しく振動する。したがって、この関数の値を厳密に求めること自体が難しいが、新しいアルゴリズムを開発した。)また、変数xとyが複素数にである場合のStokes現象も、かなりの程度理解された。 (4)(3)の結果に基づいて、(1)で定めたモデルの半古典論を遂行して、直接シミュレーションの結果(2)と比べることを実行中である。
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