1994 Fiscal Year Annual Research Report
不均一系における電子移動速度のエネルギー・ギャップ則
Project/Area Number |
06219213
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
垣谷 俊昭 名古屋大学, 理学部, 教授 (90027350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉森 明 名古屋大学, 理学部, 助手 (90260588)
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Keywords | 不均一系反応 / 電極反応 / ヘルムホルツ層 / グイ-チャップマン層 / 非線形現象 / 表面吸着 / エネルギー・ギャップ則 / 電解質イオン |
Research Abstract |
本研究では電極反応における電子移動速度のエネルギー・ギャップ依存性(エネルギー・ギャップ則という)が均一系のものに比べてどのように変わるかをモンテカルロシミュレーション計算により調べた。その結果次のことが明らかにされた。電極表面に電荷が存在するときに、始状態(反応体の電荷が0)の自由エネルギー曲線の曲率は終状態(反応体の電荷が+I)の自由エネルギー曲線の曲率の約1.5倍になった。均一系反応ではこの比が約1.1であるので、電極界面では誘導飽和のために非線形性が増大していると考えられる。このことを確かめるために電解質イオンと溶媒分子の電極表面からの分布を求めた。その結果、半径23Aの電極表面の円内に、28個の負イオンと11個の正イオンと49個の溶媒分子が吸着していることが明らかになった。これはいわゆるヘルムホルツ層を構成しており、非線形現象を生み出している。吸着層の外側は電解質イオンの濃度勾配のゆるやかな変化があり、グイ-チャップマン層を構成する。また、電極表面に電荷が存在しないときには電解質イオンの電極表面への吸着量は少なく、均一系と余り変わった分子環境を作っていないことも明らかにされた。備品で購入したパーソナルコンピュータはモンテカルロシミュレーションに役立てた。本年度の研究だけではまだ十分成果を得ておらず来年度以後の研究の基礎としての意味があると思われる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Kakitani: "Relation between four-state delineation and two-state delineation in electron transfer reactions and excitation transfer." Inorg.Chim.Acta. 225. 185-190 (1994)
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[Publications] A.Yoshimori: "Symmetry of a free energy curre in polar solution." Chem.Phys.Letters. 225. 494-498 (1994)
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[Publications] N.Matsuda et al.: "Examination of the Biablitity of Collins-Kimball model and numerical calculation of the time-dependent energy gap law of photoinduced charge separarion in polar solution." Chem.Phys.190. 83-95 (1995)
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[Publications] A.Yoshimori: "Nonlinear quantum effects on electron transfer reactions." Chem.Phys.Letters.(発表予定). (1995)