1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06221247
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
榎 一郎 大阪大学, 理学部, 助教授 (20146806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永友 清和 大阪大学, 理学部, 助教授 (90172543)
杉本 充 大阪大学, 理学部, 講師 (60196756)
竹腰 見昭 大阪大学, 理学部, 助教授 (20188171)
平峰 豊 大阪大学, 理学部, 助教授 (30116173)
西谷 達雄 大阪大学, 理学部, 教授 (80127117)
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Keywords | ケーラー多様体 / 定スカラー曲率 / 非線型発展方程式 / ソリトン / 安定性 |
Research Abstract |
コンパクトケーラー多様体の場合,多くの場合定スカラー曲率を持つ計量が入るだろうと考えられている.また定スカラー曲率ケーラー計量よりも,条件を緩めた計量として,Calabiが導入したextremal計量,小磯の導入した(一般化された)擬アインシュタイン計量がある.このような計量の存在を示すためは,発展方程式を考え,時間無限大における解のふるまい,特に収束を考える.現在,次の二つの発展方程式を考えることができる.1)ケーラー形式の時間微分が,リッチ形式にラプラシアンを施したものに等しいという方程式.2)ケーラー形式の時間微分が,リッチ形式の調和成分とリッチ形式の差に等しいという方程式.1)をCalabiの方程式,2)をHamilton型の方程式と呼ぶ.両方程式はともに,一般のケーラー類に対しては,無限時間までの解の存在は知られていない. Calabiの方程式,Hamilton型の方程式を無限時間まで解き,解を適当な(時間に依存する)微分同相で引き戻したものが時間無限大のときに漸近的にソリトンに収束すること,すなわち,extremal計量または(一般化された)擬アインシュタイン計量に収束することを示すことが,長期的な目標である.今年度は,Hamilton型の方程式の無限時間までの解の存在を示すことを第一目標とし,そのため、様々な凡関数の時間微分を調べた.特に,Hamilton型の方程式の解は,ケーラー形式の空間のある内積に関し,満渕が定義したK-エネルギー凡関数の最大降下曲線となることを認識した.また,ある凡関数の極値として,幾何学的に興味深い計量が現われる可能性があることを発見した.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] I.Enoki: "A Generalization of Albanese Mappings for Non Kahler manif" in “Geometry and Analysis on Complex Manifolds" World Scientific Publ.Co. 51-62 (1994)
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[Publications] T.Nishitani: "The Cauchy problem for hyperbolic operators of strong type" Duke Math.J.75. 353-408 (1994)
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[Publications] T.Nishitani: "Symmetrization of hyperbolic systems with real constant coefficients" Ann.Scaola Norm.Sup.21. 97-130 (1994)