1994 Fiscal Year Annual Research Report
一次元可積分多体系の半古典的量子化とランダム行列模型
Project/Area Number |
06221265
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
中原 幹夫 近畿大学, 理工学部, 助教授 (90189019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松山 晶彦 静岡大学, 教養部, 助教授 (90190545)
青木 貴史 近畿大学, 理工学部, 助教授 (80159285)
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Keywords | 可積分系 / 非可積分系 / 量子カオス / Bethe仮説 / Poisson分布 / Wigner分布 / Bessel関数の零点 |
Research Abstract |
1.1次元可積分系で厳密に解ける系の例として,δ関数で相互作用する3体系をBethe仮説を用いて解き,そのスペクトルの準位統計がPoisson分布に従う事を示した。また,δ関数型の相互作用を非可積分変形し,同じ強さのGauss型にすると,準位統計はWigner型となることが期待されるが,現在これを数値的に研究している。予備計算では,Gauss型ポテンシャルの巾をゼロから(=δ型)徐々に増やしていくと,スペクトルはPoisson分布に従う領域と,Wigner分布に従う領域とに分離することが見いだされた。これらの結果は投稿準備中である(家竹,中原)。 2.2次元非可積分系の例として,Studium型ビリヤードにおける量子スペクトルを,Fourier-Bessel展開,および境界要素法を用いて求めた。後者の方法は,この種の計算では初めて導入されたもので,2次元のisospectral問題などに応用を予定している。また,Berry-Taborの定理の系として,Bessel関数の零点の2乗が一様分布をし,その間隔がPoisson分布に従う事を見いだした。(本城,松山,中原,中村;投稿準備中および3月の物理学会年会で発表) 3.量子-古典対応の興味深い例として,準安定な真空の量子的な崩壊をWKB近似の範囲で扱った。とくに,物性系における現象論的なモデルを,場の理論から直接導いた。(中原;投稿準備中および3月の物理学会年会で発表)
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