1994 Fiscal Year Annual Research Report
フッ素-炭素クラスター錯体の生成とπ電子系の物性制御、機能発現
Project/Area Number |
06224211
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
東原 秀和 信州大学, 繊維学部, 教授 (40026141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖野 不二雄 信州大学, 繊維学部, 講師 (60214037)
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Keywords | フッ素化フラーレン / 電子構造 / リチウム電池正極 / 単結晶 |
Research Abstract |
1.C_<60>F_Xの電子構造の決定:C_<60>F_Xの電子分光(XPS,UPS,XANES)によって,C_<60>F_X結晶の電子構造が明らかにされた。C_<60>F_<40>を例にとると、C_<60>へのフッ素付加によって価電子帯の上端部およびフェルミ準位はそれぞれ2.2eV,1.5eV,π^*LUMO-bandの底は1.5eV深くなる。 C_<60>F_Xの電気化学的性質:C_<60>F_Xを正極とするリチウム電池の起電力は約4Vであり、C_<60>のそれよりも1Vも高くなる。Li/C_<60>F_Xセルのボルタンメトリーから得られた可逆的な一電子,二電子,三電子還元電位はいずれもC_<60>のそれよりも貴な方へシフトする。これらの電気化学的性質は、1.で述べたフッ素付加によるC_<60>のエネルギーバンドの変化を、直接的に反映していることが、明らかにされた。 C_<60>F_Xの単結晶作製とX線構造解析:結晶育成温度200〜220℃でC_<60>F_X(x=44,46)の単結晶作製に成功した。プリセションカメラと4軸X線回折実験から、C_<60>F_Xは空間群Fm3mで格子定数17.16Åの面心立方構造をとることが明らかにされた。 C_<60>とフッ化物ルイス酸との電荷移動錯体:C_<60>とAsF_5/F_2またはSbF_3,SbF_5/F_2反応系を用いた0〜200℃の反応で深青色錯体結晶(C_<60>)_X AsF_6および深緑色結晶C_<60>(SbF_6)_Xを得た。いずれの結晶もfccで格子定数は14.2Å程度である。格子定数と結晶系に大きな変化がみられないことからAsF^-_6やSbF^-_6がC_<60>fcc格子間隙中にド-ピングされていると考えられる。XPSスペクトルから、これらの結晶はC_<60>が電子供与体である電荷移動錯体であることが明らかにされ、薄膜で物性を測定中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Touhara et al.: "Fluorinations of Fullerenes C60 and C70,the Nature of C-F Bonds and Electrochemical Characteritics of C60Fx and C70Fx-Li Cells" Trans.Mat.Res.Soc.Jpn.14B. 1173-1176 (1994)
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[Publications] F.Okino et al.: "Crystal Structure of Fluorinated Fullerenes" Trans.Mat.Res.Soc.Jpn.14B. 1205-1207 (1994)