1994 Fiscal Year Annual Research Report
ドナーおよびアクセプター分子の結合したC_<60>誘導体の合成と物性
Project/Area Number |
06224223
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
伊與田 正彦 東京都立大学, 理学部, 教授 (50115995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 茂 東京都立大学, 理学部, 助手 (90254143)
吉田 正人 東京都立大学, 理学部, 助手 (50137030)
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Keywords | C_<60> / フラーレン / ドナー / アクセプター / P-ベンゾキノン / 酸化還元系 / 分子内相互作用 / コバルト錯体 |
Research Abstract |
C_<60>はドナーおよびアクセプターとして作用することが可能であり、特にそのアクセプターとしての性質は、ラジカルアニオンの磁性および伝導性などの物性との関連から非常に興味深いものである。本研究では、C_<60>のこのような性質を明らかにする目的でC_<60>に直接ドナーおよびアクセプターが結合した分子を合成し、それらにおける分子内相互作用について調べた。 (1)C_<60>にP-ベンゾキノンの結合した系の合成と物性 P-ベンゾキノンは代表的な有機酸化還元系として知られているアクセプターである。そこで、P-ベンゾキノンがC_<60>に結合した化合物を合成して、その酸化還元系としての性質を調べたところ、この両者が相互作用した新しい酸化還元系が出来ることがわかった。また、金属カリウムを用いて還元した化合物のESRスペクトルは興味深い挙動を示した。 (2)C_<60>にシクロペンタジエニル-シクロブタジエンコバルト(I)錯体が結合した系の合成と物性。 標題化合物はC_<60>にドナーのコバルト錯体が結合した系である。合成はC_<60>とコバルト錯体の熱反応によって行った。この錯体の酸化還元電位を調べたところ、コバルト錯体部分が酸化に対して非常に不安定になることがわかった。
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[Publications] Masahiko Iyoda: "Synthesis and Properties of a New Redox System containing Fullerene and p-Benzoquinone" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1929-1930 (1994)
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[Publications] Masahiko Iyoda: "Reactions of Fullerols and Fullerene Dimer Containing Perfluoroalkyl Groups with Tributyltin Hydride" Tetrahedron Lett.35. 9045-9046 (1994)
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[Publications] Masahiko Iyoda: "Synthesis of Novel Fullerene Complex:the [4+2]Cycloadduct of (Bicyclo[3.2.0]hepta-1,3-dienyl)cobalt(I)Complex with C_<60>" Tetrahedron Lett.36. 579-582 (1995)