1994 Fiscal Year Annual Research Report
液相結晶成長法による金属フラ-ライド単結晶の育成と物性
Project/Area Number |
06224227
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
小林 速男 東邦大学, 理学部, 教授 (60057635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 広思 東邦大学, 理学部, 助教授 (10126188)
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Keywords | フラーレン / アニオンラジカル / 結晶成長 / 単結晶 / 電気伝導度 |
Research Abstract |
申請者らはすでに、嵩高いN〔P(C_6H_5)_3〕_2^+カチオンを用いて電解結晶成長法によりフラーレンアニオンラジカルの単結晶化に初めて成功したが、(J.Am.Chem.Soc.,115,1185-1187(1993))、本年度の成果としてこの結晶構造を最終的に明らかにし、結晶溶媒として1分子のC_6H_5Clを含む1:1塩であることを示した。結晶は光沢ある黒色針状晶で、単斜晶系C2/cに属し、C_<60>間の相互作用は存在せず絶縁体である。(Synth.Metals,in press)。 これに引き続いて、金属元素源としてアルカリ金属有機ホウ酸塩を用い、液相において電解結晶育成法によって金属フラ-ライド単結晶M_xC_<60>(THF)_yを得る方法を開拓した。(J.Am.Chem.Soc.,116,3153-3154(1994).)とりわけナトリウム塩では室温での伝導度は50Scm^<-1>にのぼり、さらに170K付近に金属-金属相転移が観測され、100K付近での伝導度は1000Scm^<-1>に達する高い電気伝導性を示すことを明らかにした。 これらの成果に基づいて、本年度は多様なフラーレンアニオンラジカル塩誘導体の単結晶成長を試み、電解結晶成長法のみならず拡散結晶成長法によっても同一組成をもつフラーレンアニオンラジカル塩M_xC_<60>(solvent)_y結晶が得られることを明らかにした(Chem.Phys.Lett.,in press)。本系はフラーレン類の高い電子受容性に着目して、液相均一系でアルカリ金属をドープした単結晶を作成しようとする独創的な方法であり、ESRなどにより本単結晶塩の解析を進めている。
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[Publications] H.Kobayashi,et al.: "Synthesis and Characterization of some Metal Fulleride Compounds by Electrocrystallization" Synthetic Metals. (in press). (1995)
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[Publications] H.Moriyama,et al.: "ESR Spectra on Single-Crystals of Alkali Metal Fullerid Complexes by Means of Wet Chemical Synthesis" Chemical Physics Letters. (in press). (1995)