1994 Fiscal Year Annual Research Report
チャンネル機能膜を用いる有機物質の電子移動場の設計
Project/Area Number |
06226215
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梅澤 喜夫 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (80011724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BUHLMANN Phi 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (20262149)
遠田 浩司 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (60212065)
菅原 正雄 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (50002176)
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Keywords | チャンネル / シクロデキストリン誘導体 / Self-assembly膜 / ホストーゲスト錯形成 / 膜透過性 |
Research Abstract |
本研究においては,電極表面に共有結合により結合したホスト自己集合膜を用いる膜透過性の制御を検討した.硫黄-金共有結合により金電極表面に自己集合単分子膜を形成することが期待されるβ-シクロデキストリンのチオエーテル誘導体を合成した.これらのホストの自己集合単分子膜修飾金電極を用い,マーカーの膜透過性をサイクリックボルタンメトリーにより検討した.その結果,上述ホストの自己集合膜を用いて,ホストーゲスト錯形成により分子間及び分子内チャンネルに基づく膜透過性を制御できることが分かった.即ち,フェロシアン化物イオン(マーカー)を用いた場合,ゲストとしてアダマンタニウムイオンの存在によって,分子間間隙に基づく膜透過性を静電的相互作用により制御できた.一方ホストを修飾した単分子電極をさらに1-ドデカンチオールで処理して,分子間間隙をできる限り少なくした分子内チャンネル膜を作成した.フェロシアン化物イオンをマーカーに用いることにより、ゲスト濃度に依存したサイクリックボルタモグラムが得られ,電子トンネリングを示唆する指数関数的形状から,マーカーはホストの内孔を通過はできないが,部分的に内孔に捕捉され酸化を受ける可能性が示された.ホストとして2-メルカプトエチルリン酸塩2の自己集合膜を用いた場合には,荷電ゲストによって誘起される膜表面電荷の変化に基づいて分子間間隙のマーカー透過性を抑制できた. この他,分子間間隙透過性の制御に基づくアプローチにより,キャスト法により作製した1-オクタデシルシトシン修飾グラシーカーボン電極を用い,フェロシアン化物イオンの膜透過性の制御に基づいてヌクレオチドGMPをAMPから選択的に識別することに成功した.また,気/液界面に作成したカリックス[4]アレン及びカリックス[6]アレンのエステル誘導体及び脂溶性カリックス[4]アレンの単分子膜はアルカリ金属イオンとの錯形成により膜透過性の制御が可能なチャンネル類似膜として機能することが分かった.
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Research Products
(9 results)
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[Publications] M.Namba: "Molecular Resolution Image of a Calix[6]arene from Atomic Force Microscopy" Langmuir. ((in press))
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[Publications] P.Buhlmann: "Studies on the Phase Boundaries and the Significance of Ionic Sites of Liqud Membrane Ion-Selective Electrodes" Electroanalysis. ((in press))
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[Publications] P.Buhlmann: "EMF Response of Neutral-Carrier Based Ion-Selective Field Effect Transistors with Site-Free Membranes" Electrochim.Acta. ((in press))
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[Publications] K.Tohda: "Cation Permselectivity at the Phase Boundary of Ionophore-Incorporated Solvent Polymeric Membranes As Studied by Optical Second Harmonic Generation" Anal.Chem.67. 570-578 (1995)
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[Publications] Y.Tani: "Non-Stoichiometric Dissolution of Lanthanum Fluoride (LaF3) and its Relevance to a Process of Ion-elective Charge Separation at the Solid/Solution Interface" J.Electroanal.Chem.378. 205-213 (1994)
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[Publications] M.Sugawara: "Studies on the Factors Affecting Background Permeabilities of Ordered Mono-Bi,and Multilayers as Channel Mimetic Sensing Membranes" Anal.Sci.10. 343-347 (1994)
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[Publications] K.Odashima: "Chemical Sensing Based on Membrane Potential Change Induced by Host-Guest Complexation at Membrane Surface" Supramolecular Chemistry. 4. 101-113 (1994)
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[Publications] K.Odashima: "Potentiometric Discrimination of Organic Amines by a Liquid Membrane Electrode Based on a Long Alkyl Derivative of β-Cyclodextrin" Mikrochim.Acta. 113. 223-238 (1994)
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[Publications] K.Tohda: "膜を横切る信号の伝達に基づく化学センシングの新しい展開" 膜. 19. 122-132 (1994)