1994 Fiscal Year Annual Research Report
含フッ素複合系メディエーターの開発と有機フッ素化合物の高選択的合成への応用
Project/Area Number |
06226225
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
淵上 寿雄 東京工業大学, 大学院総合理工学研究所, 助教授 (10016701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
昆野 昭則 東京工業大学, 大学院総合理工学研究所, 助手 (50205572)
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Keywords | メディエーター / 超原子価ヨ-素化合物 / 電解ジフッ素化 / 脱硫フッ素化 / 陽極メトキシ化 / 光学活性化合物 / 有機フッ素化合物 |
Research Abstract |
本研究はフッ素を含む新しい複合系メディエーターを創製し、安全かつ効率的な選択的直接フッ素化法と分子変換法を開発しようとするものであり所期の目的を完全に達成した。 1.超原子価クロロフルオロヨードベンゼン誘導体の電解合成とこれをメディエーターとする陽極脱硫ジフッ素化 単純なヨードベンゼンやp-ヨードトルエンはフッ化物イオン存在下、直接電解酸化しても超原子価ジフルオロ体を与えない。そこで塩化物イオンをメディエーターに用い、フッ化イオン存在下間接電解酸化したところ、I-F、I-CI結合をもつ三元系の新規超原子価ヨ-素化合物が得られることを見出した。さらにこれがジチオアセタールの酸化的脱硫フッ素化のメディエーターとして利用できることを明らかにした。 2.フッ化物イオンメディエーターによる有機硫黄化合物の陽極メトキシ化とこれをキ-ステップとする有用フッ素化合物の合成 当研究グループで見出されたフッ化物イオンメディエーターを利用し、不斉炭素上に水酸基を有する含CF_3スルフィドの位置選択的陽極メトキシ化に成功するとともにこれををキ-ステップとする光学活性フッ素化合物の新しい合成経路を開発した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 淵上 寿雄: "The First Electrosynthesis of Hypervalent Indobenzene Difluoride Derivatives and Itd Application to Indirect Anodic gem-Difluorination" The Journal of Organir Chemistry. 59. 7190-7192 (1994)
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[Publications] 淵上 寿雄: "超原子価化合物の電解合成" 化学工業. 45. 164-171 (1994)