1994 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学的手法を用いた化学修飾酵素によるC-H活性化法の開発
Project/Area Number |
06226266
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田中 修司 長崎大学, 工学部, 助教授 (80217033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田丸 良直 長崎大学, 工学部, 教授 (80026319)
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Keywords | 酵素電極 / 電気化学 / 一原子酸素添加酵素 / ドーパミンβ-ヒドロキシラーゼ / 不斉合成 |
Research Abstract |
一原子酸素添加酵素・ドーパミン β-ヒドロキシラーゼ(DBH)の特異な活性を用いて、化学的に反応性の乏しいC-H結合を活性化し光学活性アルコールを効率的に合成するため、DBHを電極上に固定化し電極・メディエーター・酵素システムを構築し、phenylalkylamine類のヒドロキシル化を試みた。さらに、本酵素の合成化学的な利用の範囲を知るためその基質特異性についても調べた。 1.DBHの基質特異性 DBH・電極反応システムを用いたアルコール合成の適用範囲を知るため、DBHの基質特異性を調べた。本酵素は天然基質であるdopamineの他に長鎖アルキル基を有するphenylalkylamineやphenylalkyl-alcohol、複素環式化合物などのベンジル位を酸化し対応するアルコールまたはアルデヒド誘導体を生成した。この広い基質許容性は本酵素の効率的かつ連続的な活性発現条件を見いだすことができた場合は、本システムの有機合成への利用の有用性を示すものである。また、少数の例で調べた限りでは、その生成物はR体のみであった。 2.ナフィオンによる酵素固定化電極によるヒドロキシル化 ポリエチレングリコール修飾DBHをメディエーターと伴にナフィオンを用いてグラファイト電極上に固定化した酵素電極を作成しtyramineのヒドロキシル化によるoctopamineの合成を行った。2-aminoethylferroceneをメディエーターとして用いた場合、数時間にわたって酵素の触媒反応を維持することができた。 3.スチレン-マレイン酸無水物コポリマーを用いた酵素電極によるヒドロキシル化 酵素とメディエーターを電極表面にスチレン-マレイン酸無水物コポリマーを用いて共有結合により固定化した酵素電極を作成し、tyramineのヒドロキシル化を試みた。12-aminodecanoylferroceneをメディエーターとして用いた場合に酵素活性を発現することができた。本酵素電極は非常に安定であり、一ケ月以上の保存が可能であった。
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