1994 Fiscal Year Annual Research Report
反応性低原子価化学種を用いる新規含金属高分子鎖の合成
Project/Area Number |
06227208
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 四郎 東北大学, 工学部, 教授 (10026198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇山 浩 東北大学, 工学部, 助手 (70203594)
正田 晋一郎 東北大学, 工学部, 助教授 (10143364)
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Keywords | 酸化還元共重合 / ゲルミレン / スタニレン / 2:1周期共重合 / 低原子価化学種 |
Research Abstract |
本研究では環状ゲルミレンとp-ベンゾキノン類との酸化還元共重合を検討した。インダン型(5員環)ゲルミレンを用いてp-ベンゾキノンとの重合を検討したところ、反応が速やかに進行し、分子量10万以上のポリマーが得られた。生成ポリマーの構造をNMRにより解析したところ、ゲルマニウム-ゲルマニウム結合を主鎖に有する2:1周期共重合体であることがわかった。この5員環ゲルミレンは種々のp-ベンゾキノン類と反応し、2:1周期共重合体を与えた。6員環ゲルミレンも同様の種々のp-ベンゾキノン類と重合し、2:1周期共重合体が得られた。非環状ゲルミレンを用いて合成したポリマーは融点を有していたが、本研究で得られたポリマーは融点を示さず、約150℃で分解した。これは主鎖にゲルマニウム-ゲルマニウム結合を有しているためと思われる。 また、スズの2価化学種であるスタニレンを新規低原子価金属種モノマーとして用い、p-ベンゾキノン類との反応を検討した。配位子にビストリメチルシリルアミドを有するスタニレンとp-ベンゾキノンあるいは2、5-ジ-t-ブチル-p-ベンゾキノンとの重合により得られるポリマーは有機溶媒に可溶であった。生成ポリマーのNMR分析により、スズ原子を主鎖に有する交互共重合体であることがわかった。GPCにより測定した生成ポリマーの分子量は5千〜10万であった。一方、2、5-ジフェニル-p-ベンゾキノンからは不溶性ポリマーが得られた。
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[Publications] Shiro Kobayashi: "Novel 2:1 Periodic Copolymers from Cyclec Germylenes and p-Benzoquinone Derivatives" Journal of the American Chemical Society. 116. 6047-6048 (1994)
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[Publications] Shiro Kobayashi: "A Novel Redox Process for Construction of Germanium-Containing Polymers by Utilizing Germylenes and p-Benzoquinone Deivatives" Journal of the American Chemical Society. (印刷中).