1994 Fiscal Year Annual Research Report
有機金属化合物によるDNA塩基配列の認識-機構の解明と新化合物の開発
Project/Area Number |
06227217
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒田 玲子 東京大学, 教養学部, 教授 (90186552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 亨 東京大学, 教養学部, 助手 (40242036)
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Keywords | 塩基配列 / 金属錯体 / キラリティー / ビピリジン |
Research Abstract |
我々は、精度の高い情報を得るために低分子量化合物によるDNA塩基配列認識機構の解明と、DNA構造を自在に認識する人工分子の開発を目指している。本研究では、水溶性ポルフィリン金属錯体とDNAとの相互作用の解析を行ない、また、金属錯体の配位子として新たにビピリジン誘導体の合成にも着手した。 通常の水素結合を形成できないtetrakis(1-N-methyl-4-pyridiniumyl)porphine(TMPyP)のMnおよびFe錯体が、非常に高い塩基配列識別能をもつことを生化学実験で見いだした。一方物理化学的アプローチから、ポルフィリン錯体はDNAと複数の様式で相互作用し、それぞれの様式が溶液のイオン強度、ポルフィリンの濃度、DNAとの比率、DNAの塩基配列やコンホメーションなどに依存して複雑な挙動を示すことを明らかにした。特に、誘起CDスペクトルを利用して、吸収スペクトルなどでは分解できない異なった相互作用様式の識別に成功した。現在、数値解析・統計解析の手法を駆使して、より正確な定量的な解析を試みている。 DNAの二重らせんが近似的二回対称性をもつことから、我々はC_2対称性をもちキラリティーの一致するC_2対称な金属錯体をデザインした。DNAのキラリティーに対応してDNAを認識する部分として、C(3)及びC(3')位に置換基を入れて回転を束縛し、かつ、C(4),C(4')にDNA切断部位であるp-ニトロベンゾイル基を有したビピリジン誘導体を考えた。新化合物によりDNAの2本鎖が比較的シャープに切断されると期待される。3置換ピリジンを好収率で得、現在、この二量化を検討中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] R.Kuroda: "DNA-Porphyrin Interactions probed by Induced CD Spectrpscopy" J.Chem.Soc.Chem.Commun.1575-1576 (1994)
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[Publications] T.Kitazawa: "Clathrate Compounds of Cadmium Cyanide and Related Hosts with Cristobalite-like Lattice Structures" J.Chem.Soc.Dalton. 1029-1036 (1994)
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[Publications] H.Tanaka: "DNA Porphyrin free-base Interactions probed by Induced CD Spectroscopy" Nucl.Acids Symp.Ser.31. 297-298 (1994)
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[Publications] P.Biscarini: "Chiral Discriminations of Complexes with D_3 Symmetry." Inorg.Chem.(in press). (1995)
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[Publications] R.Kuroda: "Intelligent Compounds which read DNA base Sequences" Supramol.Chem.(in press). (1995)