1994 Fiscal Year Annual Research Report
水溶性有機白金化合物の開拓とそれらの生体分子認識能の評価
Project/Area Number |
06227218
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
宮本 健 北里大学, 理学部, 教授 (30011604)
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Keywords | 有機白金 / 水溶性 / 生体分子 / 相互作用 |
Research Abstract |
トリメチル白金(IV)系は生体分子との相互作用を調べるのに好適な化合物群を提供する。 常に八面体錯体を形成し、3個のメチル基はfac配置を取りやすいからである。メチル配位子の高いトランス効果のため残りの配位点は比較的置換活性となる。典型的な出発原料,PtCl^<2->_6,は、反応が遅いのに反し、PtMe_<>(H_2O)^+_3は直ちに反応し、NMR法に好適な一連の生成物を与える。各メチル基のtrans位にあるドナー原子は、通常は^2J(Pt-CH_3)の値から判断しうる。また配位した有機物と^<195>Ptのカップリング定数から結合点と配位子のコンフォメーションに関しての情報を引き出すことができる。 水溶性白金(IV)[PtMe_3]_2SO_4H_2Oの反応については殆ど調べられていない。そこで上述のNMRの長所を生かして、白金原子に対する配位子の化学量論を変化させながらスペクトル変化を調べた。配位子としては最も簡単な生体関連分子を使用した。なお水溶液中の溶存種を同定する一助として、有機溶媒系に可溶な配位子については[PtMe_3I]_4との反応を行い参照実験とした。結晶化できた幾つかのものについてはX線構造解析を試みた。 メチルイミダゾールとの反応では、順次3個の分子が平衡に従い配位していく様子が判明した。有機溶媒中での[PtMe_3I]_4とメチルイミダゾールの反応では単結晶が得られ構造決定により配位状況を確定する予定である。 イミダゾール(C_3H_4N_2)は水溶液中では不溶性沈殿を生じ、ろ液についても解析不能のシグナルが得られた。一方有機溶媒中の反応ではメチルイミダゾールと同様に平衡が認められ単結晶が得られた。水溶液中ではおそらくクラスター化反応が進行しているものと思われる。 グアノシンとの反応では白金:配位子の当量比が1:1付近で8位のCHプロトンとの^<195>Ptによるカップリングが認められるが、錯体の単離には至っていない。 一方、メチルアミンでは錯形成が認められるが不溶沈殿として[PtMe_3(OH)]_4も副生する。ヒドロキナトリウムのナトリウム塩との反応では錯形成が認められるものの溶液が不透明に濁る状態で化学量論は不明である。酢酸やそのアルカリ塩は錯形成を全く起こさなかった。 全体としてイミダゾール系は、よく吟味できる反応を起こすが、他の生体関連小分子は同定の困難な副反応を起こしやすい。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.K.Miyamoto: "A New Seris of Water-Soluble Platinum(II)Complexes Stabilized with Trimethylarsane.Their Synthesis,Crystal Structures,and Solution Equilibria." Chem.Lett.1994. 1971-1974 (1994)
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[Publications] T.K.Miyamoto: "Synthesis of Water-Soluble Platinum(II)Complexes Stabilized with Trimethylstibane.Stibane Transfer in Aqueous Solution." Chem.Lett.1994. 2031-2032 (1994)