1994 Fiscal Year Annual Research Report
オキシゲナーゼモデル錯体の新しい分子認識機能の開発
Project/Area Number |
06227265
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
西長 明 大阪工業大学, 工学部, 教授 (80025882)
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Keywords | ジオキシゲナーゼモデル / 酸素酸化 / コバルトシッフ塩茎錯体 / アルドール縮合反応 / 不斉導入 / 光学活性錯体 / マンデル酸エステル / グリオキサール誘導体 |
Research Abstract |
1.ジオキシゲナーゼ型活性発現と分子認識:酵素クェルセチナーゼ型反応が進行するFlO^-M^+(FlO^-=フラボノラート)(M=Li,Na,K)およびCat^<2->M^+(Cat=3,5-ジ-t-ブチルカテコール)(M=K,Na,Li,Fe^<3+>)の酸素酸化を系統的に研究し,ジオキシゲナーゼ型反応が高選択的に進行するためには基質ラジカルを経由せず,基質アニオンと金属イオンとが適当な距離で相互作用することが重要であることを明らかにした。 2.フェノール酸素酸化における位置選択性の反応場制御:2,6-Di-t-buty14-arylphenolsをCo(salpr)存在下非配位性溶媒中で酸素酸化すると酸素が特異的にo-位に導入されてo-ペルオキシキノラートコバルト錯体を生成するが、配位性有機アミンを存在させると酸素導入位置がp-位に特異的に変換されることを見出し,これらのアミンがo-ペルオキシキノラート錯体を不安定化させ、フェノキシラジカルとコバルト(III)ス-ペルオキソ錯体との反応に特異的に変換させることを明らかにした。 3.モデルオキシゲナーゼ錯体のアルドラーゼ型活性:配位飽和ヒドロキソコバルト錯体が1,3-ジケトンとホルムアルデヒドとのアルドール反応を触媒し,メタノール中で1,5-ジケトンを,塩化エチレン中で1,1,3,3-テトラケトプロパン誘導体をそれぞれ定量的に生成することを見出し,モデルオキシゲナーゼ錯体がアルドラーゼ型分子認識機能を発現することを明らかにした。 4.光学活性モデルオキシゲナーゼ錯体の不斉認識:フェニルグリオキサールヘミアセタールのマンデル酸エステルへの変換反応で光学活性モデルオキシゲナーゼ錯体が生成物に不斉を導入することを見出し,この反応が1,2-ヒドリド転位機構で進行することを明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] A.Nishinaaga;M.Yano;T.Kuwashige;K.Maruyama;T.: "Correlation between Regiospecific Dioxygen Incoiporation in to 2,6-Di-t-tutylphenols and their Redox Pofeutial" Chem,Lett.817-820 (1994)
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[Publications] A.Nishinaaga;S.Kojima;T,Mashino;K.Maruyama;: "Novel Reduction of2,6-Di-t-tutyl-pquinols woth Sodium" Chem,Lett.961-964 (1994)
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[Publications] A.Nishinaaga;T.Kuwashige;T.Tsutsui;T.Mashiuo;K.Maruyawa: "Ou the mechauism of Model Quercefiuase Reaction Using a Cobalt Schifl-base Cowplex" J.Chem.Soe.,Dalfon Trans.,. 805-810 (1994)