1994 Fiscal Year Annual Research Report
多ソース・多重構造性を特徴とする浅い水域の乱流場に対する乱流モデルの開発と汎用化
Project/Area Number |
06231205
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
灘岡 和夫 東京工業大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (70164481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二瓶 泰雄 東京工業大学, 工学部, 助手 (60262268)
八木 宏 東京工業大学, 工学部, 講師 (80201820)
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Keywords | SDS & 2DHモデル / 高精度化 / 乱流モデル / 水平大規模渦 / 浅水域 / 水平混合特性 / 風洞実験 / 乱流計測 |
Research Abstract |
我々の研究グループでは,昨年度の重点領域研究において,河川・湖沼・沿岸域などの浅い水域の乱流現象を解析する新しい形の乱流モデルとして『SDS & 2DHモデル』を開発した.昨年度の研究では,モデルの基本的な枠組みの構築を行い,それを比較的単純な浅水流場に適用することによって有効性を示したが、SDS & 2DHモデルをさらに発展させ実用的なものにしていくためには,(1)SDS乱れの基本特性を実験的に把握し,SDS乱流モデルの高精度化を図る,(2)SDS & 2DHモデルを様々な流れ場に適用し,モデルの基本特性や適用限界を明らかにする,ことが不可欠であると考えられる.そこで,今回の研究では,これら二つの点に基づいて室内実験と数値実験の両面からSDS & 2DHモデルの基本特性の検討を試みた. まず,(1)の室内実験による検討では,基本的な乱流場として円柱背後の後流を対象として,風洞実験による詳細な乱流計測から,偏平な(=浅い)流れ場の乱れの性質を検討した.その結果,同じRe数であっても風洞断面が偏平な場合(2D)と偏平でない場合(3D)では,後流域の拡がりや乱流統計量などに大きな性質の相違が現れることが明らかになった.このような乱流特性の相違は,円柱後流域の組織渦構造の違い(2Dの場合に明確な大規模渦が発達)によるものであり、乱れにとっての幾何学的な制約条件の相違が水平混合特性に大きく影響することが実験的に裏付けられた.次に,(2)の数値計算による検討では,開水路の側岸に植生帯にある水平せん断流を対象として,植生帯の状況の変化が流れ場に与える影響について実験結果と数値計算結果を比較した.その結果,SDS & 2DHモデルでは,植生の密度や植生帯の幅の変化にともなう流況の変化を水平大規模渦の発達の相違として直接的に表現できる形となっているため,k-εモデルなどの既存の乱流モデルでは表現することが困難であった植生帯の幅や密生度と水平混合特性の関係を適切に表現できることが明らかとなった.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 八木 宏・灘岡和夫: "浅水域の水平せん断流に対するSDS & 2DHモデルの基本特性と既存乱流モデルとの比較" 東京工業大学 土木工学科研究報告. 50. 1-28 (1994)
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[Publications] 八木 宏・灘岡和夫: "平面せん断流に対するSDS & 2DHモデルの基本特性の検討" 土木学会論文集. (発表予定). (1995)
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[Publications] 八木 宏・塚原隆夫・灘岡和夫: "底面境界層の力学過程を考慮した準三次元潮流計算法の提案" 海岸工学論文集. 42(発表予定). (1995)
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[Publications] 八木 宏・荒井尚樹・灘岡和夫: "鹿島灘沿岸域における海水流動特性に関する現地観測" 海岸工学論文集. 42(発表予定). (1995)
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[Publications] 八木 宏・小林康夫・灘岡和夫: "円柱後流域の平面せん断乱流に関する実験的研究" 土木学会年次学術講演会概要集. 50(発表予定). (1995)