1994 Fiscal Year Annual Research Report
自由表面を持つ気液二相乱流の直接数値計算とスカラーの乱流輸送モデルの構築
Project/Area Number |
06231214
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小森 悟 九州大学, 工学部, 助教授 (60127082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 泰弘 九州大学, 工学部, 教授 (00037730)
永翁 龍一 資源環境総合技術研究所, 地殻工学部, 研究員
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Keywords | 自由表面 / 気液二相流 / 乱流輸送 / DNS |
Research Abstract |
本研究は、気液両相が乱流状態で流れる気液二相流に対してDNSを適用し、風波気液界面近傍の乱流構造及びその界面を通してのスカラーの輸送機構を解明することを目的とした。特に、スカラーの気液界面を通しての移動機構の考察に関しては、ナビエ・ストークス式の他にスカラーの拡散方程式を連立させて解くことにより得られるスカラーの統計量及びスカラーと速度の相関量を活用した。具体的には、気液界面を従来の研究のようにスリップ壁として扱うのではなく、完全な自由表面の境界条件を与え、移動境界面としてラグランジュ的に扱う方法に基づいたDNSをウインドシア-が働き、気液界面が波立つ風波界面に対して適用可能なものに拡張する方法を開発した。この場合には、自由表面での応力バランスを界面の接線方向、及び、法線方向にとり、さらに自由表面上で表面張力を考慮した速度と圧力の力学的境界条件を与えた。この自由表面での境界条件に対して気流側と液流側のナビエ・ストークス式、スカラーの拡散方程式、気液界面の形状を決定する方程式を連立させ、5次精度の風上差分法を用いた。このDNSにより得られた速度及びスカラーの瞬間値ならびに乱流統計量を用いて風波界面近傍の乱流構造を考察した結果、波の存在による気流側での流れの剥離、再付着、さらには、液流側での界面シア-による表面更新渦の生成等が明らかになり、気液界面を通してのスカラー移動を支配するのは表面更新渦であることが明らかになった。これらの結果は従来の代表研究者らによる実験による推定結果(J.Fluid Mech.Vol.249,pp,161-183)を証明することができた。
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