1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06234209
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
御手洗 志郎 九州大学, 理学部, 助手 (00108648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郷農 靖之 九州大学, 理学部, 助教授 (50016127)
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Keywords | Si Ball / 4π多重度測定装置 / スペクトロスコピー / 高スピン・アイソマ-ビーム / 短寿命核ビーム / 重イオン融合反応 / ドップラー・シフト / γ-線 |
Research Abstract |
理研に於けるハイスピン・アイソマ-・ビームの開発が進みこの2次ビームを用いたクーロン励起の実験が世界で初めて行われ、アイソマ-からのクーロン励起が確認された。 これらの2次ビームによる重イオン核融合反応からのγ-線の核種を同定するために九州大学で開発され、国際共同実験であるノルドボールで多くの実験で使用されているSi Ballを逆反応である2次ビーム実験に最適化する様に改良した。ボールとして、正十二面体を形成する5角形のSi検出器は運動学的に前方への蒸発粒子の集中を考慮して5分割された。従って、新Si Ballは60個の検出器として使用可能である。また蒸発粒子の角度分布の測定のために、検出器取り付けのフレームが作り直された。 このSi Ballは九州大学でテストされたがその検出器は-100Vのバイアス電圧で漏洩電流はわずかに1nAの程度であった。また^<241>Amからのα線に対して40-45keVの分解能を示した。この分解能はSi Ballと同様な他の4π荷電粒子多重度測定装置に比べて非常によい分解能であり、多重度の測定に有用であるのみ成らず、陽子、α粒子のエネルギーの測定は核反応におけるスペクトロスコピーの研究に役立つ。 現在、理研に於ける2次ビームによる融合反応実験のための準備が進行中である。大立体角を持ち、ドップラー・シフトへの補正を行うセグメントGe検出器の開発も終了しつつあり、ハイスピン・アイソマ-・ビームによる重イオン融合反応の実験が待たれている。
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[Publications] 森川恒安: "Coulomb Excitation of ^<174>Hf K-isomer" RIKEN-AF-NP. 183. 1-12 (1994)
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[Publications] 御手洗志郎: "Si Ball of version 3" Kyushu University Tandem Accelerator Laboratory Report. 5. (1995)
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[Publications] 御手洗志郎: "核反応チャンネルセレクション用Si Ball" 「短寿命核ビームの科学」研究会報告集. (1995)