1994 Fiscal Year Annual Research Report
走査型電気化学トンネル分光法による金属及び半導体/電解質溶液界面の電子物性
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06236201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
魚崎 浩平 北海道大学, 理学部, 教授 (20133697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
叶 深 北海道大学, 理学部, 助手 (40250419)
近藤 敏啓 北海道大学, 理学部, 助手 (70240629)
中林 誠一郎 北海道大学, 理学部, 助教授 (70180346)
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Keywords | 走査型トンネル顕微鏡 / トンネル分光 / 電気化学 / 金 / 白金 / 半導体電極 |
Research Abstract |
固体/溶液界面での電子構造を決定する事を目的に、本研究を行っている。本年度は昨年度開発に成功した電気化学トンネル分光装置を水平方向に走査可能とするとともに、リアルタイムでSTM像の測定を可能にし、走査型電気化学トンネル分光システムを実現した。ついで当装置をいくつかの系に適用した。 半導体電極についてはトンネル電流の電極電位依存性を種々の試料について測定した結果、(i)順バイアス領域では表面キャリア濃度に比例したトンネル電流が流れる、(ii)フラットバンドより逆バイアス側ではトンネル電流は流れない、(iii)非常に逆バイアスにすると僅かながら逆方向のトンネル電流が流れる事を見出した。これらの結果をバンドモデルに基づいて半定量的に説明する事に成功した。 金属電極については単結晶をそのまま試料とするためのセルの改造を行うとともに、測定中の雰囲気制御のための工夫をする事によって再現性の高い測定が可能となった。金や白金の単結晶についてトンネル電流の距離依存性を測定したところみかけのトンネル障壁高さ約0.6eVを得た。この値は真空中での値に比べるとかなり小さく、その原因について現在検討中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Koinuma: "In situ Observation of Atomic Resolution Image and Anodic Dissolution Process of p-GaAs Electrode in HCl Solution by Electrochemical Atomic Force Microscope." Surf.Sci.Lett.311. L737-L742 (1994)
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[Publications] M.Koinuma: "In situ Observation of Anodic Dissolution Process of n-GaAs in HCl Solution by Electrochemical Atomic Force Microscope." J.Vac.Sci.Tech.B12. 1543-1546 (1994)
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[Publications] 鯉沼陸央: "In Situ AFMの最新動向1.原子間力顕微鏡による電極表面反応のその場追跡" 電気化学. 63. 92-98 (1995)
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[Publications] 魚崎浩平: "走査型トンネル顕微鏡/原子間力顕微鏡利用技術集成" テイー・アイ・シ-, 222-228 (1994)