1994 Fiscal Year Annual Research Report
光の局在領域における電子及び光子の量子相互作用に関する理論的研究
Project/Area Number |
06238212
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
大高 眞人 福井大学, 工学部, 助教授 (60108248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 明弘 福井大学, 工学部, 助教授 (10251985)
山本 あき勇 福井大学, 工学部, 教授 (90210517)
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Keywords | 光局在 / メソスコピック光導波路 / 光バンドギャップ / 強局在状態 / 非周期性 / フォトニックバンドギャップ |
Research Abstract |
半導体導波路構造における光の局在状態とその状態下における電子-光子相互作用に関する研究は、新しい「量子位相エレクトロニクス」分野における重要な研究テーマであり、特に光の強局在状態における電子との相互作用を明かにすることが新しいデバイス開発に何らかの指針を与える可能性は大きい。 今年度は、半導体導波路構造における光の強局在状態を調べるために、2つの観点からのアプローチを試みた。一つは、従来の電磁波理論に基づく導波路解析の手法を、屈折率分布が空間的にランダムに分布したような導波路構造に適用することにより、所謂、フォトニックバンドギャップ領域に伝播状態が現われ、状態密度が周期的な屈折率分布を持つ導波路構造における状態密度とは大きく異なることを示した。もう一つのアプローチは、格子振動の方程式の数値解法として最近用いられつつある強制振動子法を上記の様な非周期的な屈折率分布を持つ導波路構造に適用するというアプローチである。この解法は、その適応範囲の広さと計算効率の良さに特徴があり、上記の電磁波理論による解析結果との詳細な比較は、光の強局在の研究をさらに進める上で是非とも必要である。そこでこの方面からのアプローチでは、2つの解析方法の比較検討を行ない、光の強局在の問題に対する強力な解析方法の年度内の確立に重点を置いた。この結果、二つの手法がほぼ同一の結果を示すことを確認し、それぞれの手法の解析目的に対する計算効率の優劣を明らかに出来た。 以上の成果を踏まえたうえで、平成7年度以降は、具体的に半導体材料を念頭において、先ず光の強局在が起こりえるような材料構成と構造を計算機解析により明かにし、電子波と強く局在した光との量子相互作用についての計算機による数値実験を行なうことにより、その理解を深めることを目的としている。
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[Publications] 大高 眞人: "ベクトル形状関数を用いた導波路の有限要素解析における計算精度の検討" 電子情報通信学会論文誌C-I. J77-C-I. 679-685 (1994)
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[Publications] Akio Yamamoto: "Nitridation effects of substrate suface on the metalorganic chemical vapor deposition growth of InN on Si and α-Al_2O_3 substrates" Journal of Crystal Growth. 137. 415-420 (1994)
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[Publications] Akihiro Hashimoto: "New laser ablation phenomenon of the porous Si filrus by fooased N_2 pulse laser inadiation" Journal of Applied Physics. 75. 5447-5449 (1994)